1986 Fiscal Year Annual Research Report
裁判と裁判外紛争処理の関係に関する多角的・実証的研究
Project/Area Number |
60450066
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷口 安平 京大, 法学部, 教授 (50025144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 克己 京都大学, 法学部, 助教授 (20191398)
田中 成明 京都大学, 法学部, 教授 (90025148)
村松 岐夫 京都大学, 法学部, 教授 (80025147)
佐藤 幸治 京都大学, 法学部, 教授 (70025146)
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Keywords | 裁判 / 裁判外紛争処理 / 調停 / 仲裁 / 比較法文化 |
Research Abstract |
裁判手続に重点を置いて研究を進めた昨年度の後を受けて、本年度は、日本における裁判外の紛争処理へと研究の焦点を移した。昭和61年12月には、これをテーマとする研究会を、研究分担者の外、小高剛教授(大阪市立大学)を講師に迎えて開催した。研究会においては、まず山本克己(研究分担者)が、三ケ月章博士の紛争解決規範理論とそこでの調停・仲裁の位置付けを要約紹介した上で、これに対する方法論的あるいは法理論的な疑問を提起するとともに、フランス仲裁法の法化=非法化の動向を報告した。ついで、小高教授からは、行政上の紛争処理手続についての総論的報告の後、公害健康被害補償制度の改正問題を題材に、紛争処理制度の設計過程における自然科学的知見をも利用した政策選択の実例が報告された。また他方では、来日中の外国人研究者を招いて、各国の裁判と裁判外紛争処理の動向の報告を受ける企画が進行中であり、昭和62年2月には、宋相現教授(国立ソウル大学)及び季衛東氏(京都大学大学院生、北京大学出身)から、それぞれ韓国及び中国の現況が報告され、これを受けた討論においては、両国の現況と日本のそれとの比較をめぐって活発な議論がなされたが、韓国については、かっての日本と類似する問題状況の中で、内国仲裁が活発に利用されていることに関心が集まった。また、中国については、社会主義国における法の支配の確立に関する諸問題、特に中国の伝統的法的思考との相克が議論の対象となった(以上の、山本助教授・小高教授・宋教授の各報告を整理したものを資料として添付する。季氏のそれは次年度にまわす)。なお、同年3月末には、E.ブランケンブルク教授(アムステルダム大学)を招く予定である。次年度は、新たな知見の獲得に努めるとともに、昨年度及び本年度の成果を総合することを期している。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 谷口安平: ジュリスト. 867号. 38-43 (1986)
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[Publications] 谷口安平,Yasuhei Taniguchi: In,Favoreau ed;Le Controle Juridictionnel des Lois. 175-190 (1986)
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[Publications] Yasuhei Taniguchi: In;Habscheided.,Der Justiskonflikt mit den Vereinigten Staaten von Amerika. 93-102 (1986)
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[Publications] 佐藤幸治: 法曹時報. 0号,39巻1号38巻8号,38巻1. 1-44 1-401-27 (1986)
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[Publications] 田中成明: 思想. 744号. 1-32 (1986)
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[Publications] 田中成明: 判例タイムズ. 588. 2-7 (1986)
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[Publications] 山本克己: 法学論叢. 7号119巻1号3号5号. 1-23 32-501-25 1-21 (1986)
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[Publications] 村松岐夫,伊藤光利,辻中豊: "戦後日本の圧力団体" 東洋経済新報社, 283 (1986)
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[Publications] 田中成明: "現日本法の構図" 筑摩書房, 290 (1987)
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[Publications] 谷口安平: "金融担保法講座(担保権の実行と自力救済)" 筑摩書房, 215-235 (1986)