1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60460018
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
金子 逹之助 岡山大, 理学部, 助教授 (10032799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 克夫 理化学研究所, 技術部, 課長
柴田 啓行 岡山大学, 理学部, 教授 (50032785)
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Keywords | 空気シャワー / 1次γ線 / γ線天文学 |
Research Abstract |
昨年度、製作準備した観測機材を6月上旬船便にてボリビア国へ発送し、8月中旬にチャカルタヤ山(5200m)へ荷揚げした。【10^(14)】eV以上の1次γ線による空気シャワーを観測するため、現在運転中の大空気シャワー・アレイの端にあるミューオン検出器の周りに、新しく小空気シャワー・アレイの建設を行った。このアレイは、1辺20mの網目状に配置された新設のシンチレーション検出器16台と既設のアレイから移した14台、更に600MeVのしきい値を持つ60【m^2】のミューオン検出器から構成されている。 1次γ線の到来方向、即ちシャワー到来方向を精度良く決めることは、天球上の星の位置との同定に重要である。このため、高速光電子増倍管と周波数特性の良いケーブルを使用した。通常の空気シャワーと1次γ線による空気シャワーを識別するには、ミューオン検出器は不可欠である。最近の計算結果では、この空気シャワー中のミューオンの量は、通常のものと比べて1/5〜1/10となっている。観測の立場からこの割合を求める予定である。 観測装置の調整、データ解析に必要な種々の回路特性を測定した後、11月下旬から予備観測に入った。データ収集にパソコンを使用しているため、約3秒に1シャワーを記録することが限度である。約1ケ月間の観測データの検討から、解析に不要な通常のシャワーをできるだけ記録せず、その分だけ更に低いエネルギー領域の観測を行うことが望ましいと結論された。この要請で回路系の一部を強化し、3月中旬から第2の観測に入っている。 本観測は5〜6月頃から開始予定である。既に報告されているVelaX-lのような点状γ線源の他に未知のγ線源や南天にあるLoop【I】の領域に見られるDiffuse γ線の物理的考察を行うためには、少くとも2〜3年の観測を続ける必要がある。
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