1986 Fiscal Year Annual Research Report
日本周辺海洋上で形成する中規模渦状対流雲に関する研究
Project/Area Number |
60460048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅井 冨雄 東大, 海洋研究所, 教授 (80025288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 勇一 東京理科大学, 理工学部, 助手 (00084476)
中村 晃三 東京大学海洋研究所, 海洋気象部門, 助手 (20143547)
木村 竜治 東京大学海洋研究所, 海洋気象部門, 助教授 (20013576)
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Keywords | 中規模擾乱 / 対流雲 / 渦状雲 / 気象衛星雲画像 / 気象レーダー / 日本海 |
Research Abstract |
1.近年 気象衛星観測によって数10km〜数100kmの水平規模をもついわゆる中規模擾乱が対流雲系として明瞭に示されるようになった。これらは従来の気象観測網では検出しがたいものである。本研究では日本付近の中規模渦状対流雲に着目し (1)通常の気象観測資料の他に静止気象衛星「ひまわり」観測資料を用いて渦状擾乱を検出し、発生から消滅に至るサイクルを追跡する。(2)その擾乱と一般場との関係を調べる。(3)数値実験および室内模型流体実験により中規模渦の発現機構を究明する。(4)シアーや収束帯を伴う一般流中の積雲対流群モデルを改良し、数値モデルにそれを導入して渦状擾乱のライフサイクルの追跡を試みることなどを目標とする。 2.本年度は上記の事項に関する研究を実施し、以下の結果を得た。 (1)最近数年間について日本周辺海洋上で見出される渦状雲を気象衛星「ひまわり」の雲画像資料を用いて その地理的・季節的な分布を調べ、特徴を整理した。(2)中規模渦状雲は冬季日本海上で比較的多く発現するので、それらの一部について、通常の地上・海上・高層気象観測,レーダ観測資料を衛星雲画像で検出された渦状雲と重ね合わせて、その動的構造を解析した。(3)また、渦状雲を含む一般場の解析も同時に行ないその発現機構を解明するための材料を整備しつつある。その際、昭和60年度末に購入されたカラーグラフィックターシサールを用いて画像解析する手法を開発しつつある。(4)一方 暖かい海面上で寒気層が下から加熱されて生ずる中規模細胞状対流の発現機構を実験的に調べる。流体層の下面から水の電気分解で一様に微小な気泡(直径25μm)を発生させ、続けると定常状態で細胞状対流が形成される。この手法を用いて、対流細胞の縦横比(扁平度)がどのようにして制御されるかを検討しつつある。
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[Publications] 木村竜治: 1986年秋季大会講演予稿集. 50. 140 (1986)
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[Publications] 木村竜治: 1987年春季大会講演予稿集. 51. (1987)
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[Publications] 三浦勇一: 43. 26-39 (1986)
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[Publications] 浅井冨雄: 沿岸海洋研究ノート. 23. 139-147 (1986)