1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60460058
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
進野 勇 九大, 教養部, 助教授 (00038465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 正雄 九大, 生産研, 助教授 (40038592)
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Keywords | ジルコン / 顕微分光法 / 螢光 / ESR / 希上類元素 / α-崩壊 |
Research Abstract |
1.螢光測定法の開発ー微小な結晶の微弱な螢光や吸収スペクトルを、同一の光学系を用いて、高感度に測定できる手法をさらに発達させた。すなわち、広帯域の微小信号を増巾して、螢光寿命の測定が可能になり、一層の顕微分光法の向上ができた。この成果は日本鉱物学会で発表した。 2.ジルコンの螢光測定についてージルコンは種々の微量元素を含み、それらは主に3つのタイプの螢光を発する。1つは希上類元素で、Dy、Tm、Eu、Smの順序で強い螢光を出す。これらの詳細については別記の論文に発表した。もう1つは原因が判然としなかったがuやThの放射崩壊に伴う結晶の不完全性に起因していることは、そのESR信号や熱的性質から推測できていた。今回、ジルコンに微量のCaをドープし、このCaを原子炉中で(η、α)反応でα崩壊させることによって、このタイプの螢光中心を人工制御することに成功した。このような現象はジルコンに限らず、種々の珪酸塩鉱物で起ることが判明した。しかも、この螢光は珪酸塩の重合度によって異なることが推定され、その中の金属元素には大きく影響を受けないらしい。このような実験仮説のもとに、多くの天然鉱物を用いて、中性子放射化実験を続行中である。これと同時に、微量元素の放射化分折も試みている。 3.ジルコンのESR信号ージルコンは地球上広く産する鉱物であり、これを用いてu-Ph法やフィショントラック法で、地質年代が求められている。ジルコンの螢光とESR強度が地質年代と比例関係にあることを実証した。α線やβ線による結晶の損傷は弱くて、試料を多量に使うESR法ではその信号を検出可能である。しかし、この比例関係には敏感でない、しかし、上記のα崩壊に伴うESR信号は強くて、他のα信号と明僚に異なることが判明した。これらの成果は学会や別記の論文、および米国スタンフォード大学での国際会議で公表された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] I.SHINNO: 岩石.鉱物.鉱床学会誌. 81. 433-445 (1986)
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[Publications] I.SHINNO: Mineralogical Journal. 13. (1987)
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[Publications] I.SHINNO: Mineralogical Magazine. (1987)