1986 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属分子線エピタキシー法(MOMBE法)によるZnSe青色発光素子の開発
Project/Area Number |
60460060
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
葛西 晴雄 千葉大, 工学部, 教授 (00009226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山賀 重來 千葉大学, 工学部, 助手 (90158080)
吉川 明彦 千葉大学, 工学部, 助教授 (20016603)
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Keywords | 化合物半導体 / 【II】-【VI】族化合物半導体 / セレン化亜鉛 / 青色発光素子 / 分子線エピタキシー / MOCVD / MOMBE |
Research Abstract |
青色発光ダイオード用材料として有効なセレン化亜鉛(ZnSe)は、いわゆる自己補償効果によりP型伝導結晶を得るのが困難となっており、これを克服するために低温エピタキシー技術の一つであるMOCVDによる伝導型制御の研究が進められている。しかし、高純度かつ高品質のZnSeを得るために反応系の高純度化を図ると共に、気相中での原料間の付加反応を抑える必要があり、本研究ではこれらの要求を満足する成長系としてMOMBE法を採用しZnSeの(100)GaAs上へのエピタキシーとその特性を検討している。本年はマスフィルタでのガス分解過程の分析および極低温領域でのホトルミネッセンスの解析から次のような知見が得られた。 1.MOMBEでは反応槽での原料ガスの平均自由行程が長いことから、原料が分解するための熱エネルギーを基板表面上からのみ得るために、通常のMOCVDと比較して成長速度が極めて遅くなり、これを改善するためには原料ガスをあらかじめ加熱してクラッキングする必要がある。 2.原料のセレン化水素はクラッキング温度が300℃程度から分解が始り、700℃程度まで単調に分解効率が上がる。 3.上記の様にセレン化水素は比較的安定な上に、セレン単体の蒸気圧はかなり高い為に、反応槽の真空度が高いことも影響して、ZnSe膜はSeが不足した低品質の結晶になりやすく、ホトルミネッセンス特性において、バンド端近傍の発光が支配的な高品質の結晶を成長するには少くともセレン化水素のクラッキングが必要不可欠である。 4.原料をクラッキングして成長した結晶のホトルミネッセンスでは、ドナー・アクセプタペアからの発光が支配的で、浅いドナーへの束縛励起子からの発光は弱く、残留不純物として微量のドナーだけでなくアクセプターも微か含まれており、高低抗となる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 吉川明彦: 材料化学. 22. 268-274 (1986)
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[Publications] A.Yoshikawa: Japanese Journal of Applied Physics. 25. 673-678 (1986)
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[Publications] 吉川明彦: 応用物理学会結晶工学分科会テキスト. 13. 49-58 (1986)
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[Publications] A.Yoshikawa: Jpanese Journal of Applied Physics.
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[Publications] A.Yoshikawa: Japanese Journal of Applied Physics.