1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60460072
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥山 文雄 名古屋工大, 工学部, 教授 (30024235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 俊雄 日本真空(株), 技術開発部, 専門室長
鈴木 昭二 名古屋工業大学, 工学部, 教務職員 (20115679)
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Keywords | 質量分析 / プラズマ |
Research Abstract |
昭和61年8月に、本年度申請の設備備品(高周波電源)が納入され、質量分析装置は、同年9月に完成を見た。以後、実験は順調に進み、現在、本装置によって得られたエチレン,スチレン,アセトン等有機プラズマのFIMS及びEIMSスペクトルの綿密な解析を行っている。すでにFIMSによって、従来は仮説の域を出なかった、プラズマ中での重合反応が、直接証明されており、FIMSは将来性に富むプラズマ診断技術であるとの結論に至っている。一例として、アセトンプラズマのFIMSスペクトルを図1に示す。分子イオン【C_3】【H_6】【O^+】)よりも高い質量位置に数多くの信号がみられるが、m/e72に、特に強度の大きなピークが現われている。このピークは、【C_4】Hg【O^+】に相当し、プラズマ中で (【C_3】【H_6】O-H)+C【H_3】→【C_4】H80の重合反応がおこったことを示している。このような励起分子をEIMSによって検出することはできず、したがって、本成果は、プラズマ気相重合のメカニズムを知る上で貴重な基礎データとなる。 なお、シランプラズマの分析結果についても、解析を進めているが、スペクトルが多少複雑であり、最終的な解析結果を得るためには、なお実験を続ける必要がある。
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