1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60460089
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
藤井 洋 岐大, 工学部, 教授 (80021583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 康隆 岐阜大学, 工学部, 教授 (00023177)
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Keywords | 切削工具 / 超高速重切削加工 / セラミックコーティング / 工具寿命 |
Research Abstract |
セラミックを被覆した超硬合金工具は下記の処理によってその寿命を価格飛躍的に延長できることが明らかになった。すなわち、コーティングを行つた後に(コーティングの前でなく)、切刃先端に約5μmの丸味とともに50μmから7.5μmの幅にわたってホーニングによってセラミック属を除去する。これによって工具内部のWC+Ca素材がすくい面にごくわずか露出することになる。工具寿命はこれによって少なくとも2倍に、600m/m20を超えるような高速の断続切削では6倍に増加することがわかった。上記の寿命の改善は、被削材に0.45%炭素鋼を使用した場合、難削材であるクロムモリブデン鋼を使用した場合ともにみられる。工具素材はP系列の場合とくに顕著である。コーティング材はPVD法によるT:N,CVD法によるT.C+T.Nの上に【Al_2】【C_3】を多層コーティングしたものともに、その工具寿命が飛躍的に増加することがわかった。工具損耗の形態を走査型電子顕微鏡を使って詳細に観察した結果、以下のことがわかった。コーテッド工具を使って高切削速度で断続切削を行ったとき、その寿命を決定する主たる要因はコーティング時にセラミック表面に生じるクラックが工具母材に微少クラックを発生させることにある。このような微少クラックは切刃先端に振動・削続切断等によって衝撃が加えられると、容易に進展し、チッピングを生ずるに至る。本研究で提唱しているホーニングによって切刃先端を処理すると、このチッピングにつながる微少クラックがすべて取り除かれることになる。しかも工具最高温度に達する個所(刃先から100μm〜1mmぐらいの範囲)ではセラミックが付着しており、温度による特性の劣下が極少におさえられているのである。今後は工具刃先の温度分布の実測を行い上記の結果を理論的に裏付けていきたい。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hirosh iFuJii: Transactions of A.S.M.E.,Journal of Engineering for Industry. 108. 157-162 (1986)
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[Publications] Hiroshi Fujii: Transactions of A.S.M.E.,Journ.of Engeneering for Industry. 108. 163-168 (1986)
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[Publications] Hiroshi Fujii: Proceeding of 26th International Machine Tool Design and Research Conference. 26. 253-260 (1986)
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[Publications] Hiroshi Fujii: Proceeding of 12th All India Machine tool Design and Research Conference. 12. 1-9 (1986)
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[Publications] 藤井洋: 精密工学金属学協同研究分科会報告書にて発表予定. 1. (1987)