1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60460091
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
玉村 謙太郎 阪市大, 工学部, 教授 (30046841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨森 紘 大阪ダイヤモンド工業株式会社
森元 時夫 大阪市立大学, 工学部, 助手 (00047242)
若林 三記夫 大阪市立大学, 工学部, 助手 (40047197)
上神 謙次郎 大阪市立大学, 工学部, 講師 (50047180)
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Keywords | ダイヤモンド / 研磨 / X線回折 / ラウエ班点 / 結晶方位同定 / 揺動研磨 / 非揺動研磨 / 研磨力比 / 研磨温度 / 研磨量 / 研磨異方性 / 研磨力比と研磨量の対応 / 研磨面粗さ / 研磨円板の変質 / へき開面 / 研磨面段差形態 |
Research Abstract |
昭和60年度に完成させたX線回折装置を用い、ダイヤモンド保持具を改造ゴニオメータに取りつけ、ダイヤモンド単結晶の研磨すべき面方位を同定して、昭和61年度初期に納入されたダイヤモンド研磨盤により、研磨時の諸計測を行ってダイヤモンドの各種研磨特性を調べた。研究の進展状況および新しく得られた知見の主なものは次のとおりである。 1.研磨時にダイヤモンドを揺動させると研磨特性が変る。すなわち、研磨力比(研磨時の接線応力/押付け応力=摩擦係数に相当),研磨温度および研磨量は揺動研磨では低く、非揺動研磨では高くなる。 2.結晶の代表的な面である{100}{110}{111}面について、1は常に生じるとともに、研磨力比および研磨温度の低い研磨方向で研磨量が大きくなり、高い研磨方向で研磨量は低くなる。これは従来別個の実験として報告されているが、この従来の報告と逆の特性である。しかし、ダイヤモンドの研磨の難易方位は従来の報告通りであった。 3.研磨面の粗さは揺動研磨の方が、非揺動研磨よりもかなり良好になる。 4.各種ダイヤモンド(天然十二,天然八,人造六面体)の研磨特性に対する明らかな差違は認められなかった。 5.研磨円板はダイヤモンドの擦過により、順次変質して研磨特性に影響を及ぼす。研磨距離が増大するにつれ、研磨力比および研磨温度は少し増大して飽和するが、研磨量は違った挙動を呈する。すなわち、揺動研磨では研磨量は飽和して、研磨が進まなくなるが、非揺動研磨では研磨距離に比例して、研磨量も増大する。 6.研磨特性の異方性は、研磨方向と4つのへき開面がなす角度により生じ、研磨時の研磨面に発生する段差の形態に依存することがわかった。
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