1986 Fiscal Year Annual Research Report
知識処理を支援する並列オブジェクト指向計算機アーキテクチャの研究
Project/Area Number |
60460131
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 英彦 東大, 工学部, 助教授 (60011102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 禎 東京大学, 工学部, 助手 (90011139)
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Keywords | 並列処理 / 計算機アーキテクチャ / オブジェクト指向 / 単一代入則 / 知識処理 / 名前管理 / デバッギング / 分散インヘリタンス |
Research Abstract |
1.並列オブジェクト指向言語DinnerBell第1版のより詳細なシミュレーションと言語表現力の評価を行った。DinnerBellのメッセージの引数単位の並列実行をモデル化し、各部の処理時間を単一プロセッサのシュミレーションから想定し、単純なネットワークを仮定して、可能な処理時間をもとめた。結果として、専用ハードウェアによれば、16台程度の並列システムで、従来のミニコンと同程度の速度が得られることが分った。現在の実行方法は、もっとも一般的な方法をとっているため、速度的には速くない。この点は、各プロセッサ内部での最適化をかけることにより、改善できると考えている。実行速度は、256台程度まで、台数に比例して向上する。この結果は、もちろん例題に依存する。2.メッセージの負荷分散戦略について、3種の方法を提案し、その内、メッセージ毎にプロセッサの外部に送信するか、内部にとどめるかどうか決めておく方法が効果があることが判明した。3.言語が、リスト処理,ストリーム処理,データ抽象,遅延評価などの基本要素を効果的に表現できることと、メッセージのJoinにより、資源管理などの処理ができることを確認した。これは、実際に、DinnerBellにより、例題を記述し、シミュレータにより、動作を確認した。4.分散インヘリタンスを導入したDinnerBell第2版の設計と試作を行った。各プロセッサへのオブジェクトのデータの分割と、メソッドハッシュの設定、Self(再帰)の取り扱いが重要であることが分かった。5.並列オブジェクト指向言語のデバッグシステムとしてアルゴリズミック・デバッグの検討を行った。即ち、メッセージ送受信の履歴の収集と、解析の方法について検討した。6.名前の知識構造を明らかにするため、オブジェクト指向OSであるSIMPOSで使われている名前づけ状況の解析を行った。この研究は、オブジェクト指向の知識ベース管理システムとユーザインターフェースの基礎となる。
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