1986 Fiscal Year Annual Research Report
非定常ランダム荷重下の疲労き裂伝播に関する確率論的研究
Project/Area Number |
60460146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
町田 進 東大, 工学部, 教授 (70010692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 重裕 東京大学, 工学部, 助手 (90010892)
新村 豊 東京大学, 工学部, 助手 (40010889)
吉成 仁志 東京大学, 工学部, 助教授 (20167737)
野本 敏治 東京大学, 工学部, 教授 (80011170)
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Keywords | 疲労き裂伝播 / ランダム荷重 / き裂開口応力 |
Research Abstract |
ランダム荷重下における疲労き裂伝播挙動を、簡便な一定振幅荷重試験結果より予測する手法の開発を目的に、前年度は軟鋼材を供試した数種の狭帯域ランダム荷重試験を行ない、き裂開口応力を10万波にわたって計測することによって等価有効応力範囲による整理が有効であることを明らかにした。本年度は、より広範囲の荷重条件下における実験をもとに、一定振幅試験からの予測という問題を解決することとした。以下に成果の概要を述べる。 1)まず、一定振幅荷重試験として圧縮荷重も加わる両振り試験を行ない応力比の広い範囲にわたって、開口応力比と応力比の間に一価の関係があることを明らかにした。 2)マイクロコンピュータ制御による狭帯域ランダム荷重試験を平均応力、応力範囲の分布特性を広範囲に変えて行ない、歪ゲージ法を用いて各試験10万波にわたり開口応力を連続して計測した。その結果、き裂開口後の応力範囲すなわち有効応力範囲の分布より等価有効応力範囲を定義すればすべてのランダム荷重試験結果が一定振幅試験結果もあわせて統一的に整理できることを確認した。一方、ランダム荷重試験において、開口応力を考慮しない等価応力範囲より一種の応力比を定義すれば、1)の開口応力比と応力比の関係を用いて等価有効応力範囲を良好な精度で推定できることが判明した。すなわち、ある材料について一定振幅荷重試験を行なっておけば、与えられるランダム荷重に対して等価有効応力範囲を求めることができ、したがってランダム荷重下での疲労き裂伝播挙動が予測できることが明らかとなった。 3)BCSモデルを用いた疲労き裂伝播の数値シミュレーションにより一定振幅荷重下の挙動を推定することができた。このことは、一定振幅試験の本数を減らせることを意味しており、実際的応用に当って意義のあることと思われる。
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Research Products
(1 results)