1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60460185
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 一彦 室工大, 工学部, 教授 (30002009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 賢一 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (20168298)
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Keywords | 山はね / AE / 震源標定 / ダイラタンシー / 岩石圧縮試験 / 地層模型実験 |
Research Abstract |
(1)岩石の標準的圧縮試験におけるAE計測 凝灰岩の板状試験片を用いて、単軸圧縮クリープ試験および多段階応力緩和試験をおこなった。クリープ試験においては、巨視的破壊に至る過程でAE震源の集中域が形成され、一定応力下においてもAE震源は後の破断面上を移動することが確認された。また2次クリープから巨視的破断の引き金となる3次クリープへの遷移は、クリープひずみ曲線よりもAE発生頻度曲線の急増として、ひずみが増加する以前から敏感に顕れることがわかった。一方、多段階応力緩和試験においては、載荷中にAE震源の集中傾向がみられ、変位を拘束すると応力緩和の進行とともに全体のAEエネルギは低下し、震源分布の拡散傾向を示した。また両実験での多測点局所ひずみ計測により、AE震源の集中領域では局所的にダイラタンシー(非弾性体積膨張)が顕著であることがわかった。 (2)地層模型実験におけるAE計測 縮尺1/80地層模型を用いて、長壁式採炭過程の模擬実験をおこない、採炭に伴って発生するAEを計測した。その結果、採炭切羽の進行に歩調を合せてAE震源は移動し、切羽近傍に破壊が形成されるとともに、採掘跡天盤にもAE震源が分布し、これらが集積した段階で天盤崩落が生じることが確認された。またAE波形の解析により、切羽近傍に震源をもつAEは最大主方向が鉛直から切羽後方に約10°傾斜した応力場で生じたダブルカップル型の破壊であり、一方、採掘跡に震源をもつAEは引張型、単軸型、ダブルカップル型と破壊の様式は多様であり、主応力の方向にも統一性がみられないことがわかった。これらの実験結果は、採炭切羽での微小地震観測の結果と調和しており、採炭切羽における周辺岩盤の破壊監視にとってAE計測が有望であることを示している。
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Research Products
(1 results)