1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60460212
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
黒田 正治 九大, 農学部, 助教授 (50039319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 哲郎 九州共立大学, 工学部, 助教授 (30140627)
中野 芳輔 九州大学, 農学部, 助手 (60038320)
田中 明 九州大学, 農学部, 助手 (70038305)
長 智男 九州大学, 農学部, 教授 (30032048)
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Keywords | 広域水利システム / 用水配分 / 栽培管理用水 / 配水管理用水 / クリーク / 低平地水田 |
Research Abstract |
研究目的;水利システム内におけるクリーフなどの貯留容量に着目し、用水配分操作の応答遅れの緩和機能および用水の需要変動の平滑化機能などの諸機能の分析を行ない、これらの機能を考慮して用水配分操作の最適化を図ることを研究の目的とする。 研究手法と経過;本年度は前年度に引続き調査対象地区として、嘉瀬川水系に属する低平地クリーク水田1000haの水利システムをモデルとして、用水配分操作と水収支に関するシミュレーショを行なうとともに、現地における水利諸元の連続測定によって、シミュレーションの精度を確認した。 得られた結果と考察;(1)広域水収支試験と水配分実態の調査を行ない、期別用水量の変化を明らかにした。(2)さらに、幹線水路,クリーク,末端水路,水田群から構成される水利システムを対象にシステムレベルでの栽培管理用水ならびに配水管理用水の定量評価が可能となった。(3)また、各用水ブロックごとの水利システムの機能の相違が、用水需要に占める栽培管理用水の比率および配水管理用水の比率によって特徴づけられることが明らかになった。(4)低平地クリーク水田地帯における用水システムは、各用水ブロックの複合体として機能しているが、各用水ブロック間の連結は上位ブロックと下位ブロックとの間の配水管理用水の受渡しとバイパスへの放流によってなされるとの結果が得られた。(5)なお、クリークは用水配分操作の応答遅れの緩和機能を有しており、これによって、用水到達速度が小さい低平地における用水配分操作を容易なものにしている。 今後の研究の展開;配水管理用水の最小化を目的とした用水配分と地区排水の連携操作の問題に研究を発展させたい。
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