1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60470012
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田中 和子 理研, その他, 研究員 (30087481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉蟲 伶太 福島大学, 教育学部, 教授 (70087477)
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Keywords | 自己拡散係数 / 濃厚電解質水溶液 / 粘性係数 |
Research Abstract |
1.塩化リチウム水溶液について、各成分イオンおよび水の自己拡散係数の測定を終了し、考察を加えて論文を完成させ、JCS Faraday Transaction【I】に投稿した。受理され現在印刷中である。 2.各種濃厚電解質水溶液の陽イオン、陰イオンおよび水の自己拡散係数と粘性係数の間の相関について検討する目的で、これまでに測定されているデータを収集した。塩化物イオンを含む多くの電解質水溶液において、塩化物イオンの自己拡散係数とその溶液の粘性係数との間に一定の相関が見いだされた。陽イオンの自己拡散係数とその溶液の粘性、および各種水溶液中の水の自己拡散係数とその溶液の粘性の相関に類似性がみとめられた。この結果はBull.Chem.Soc.JPN.に報告した。 3.濃厚塩化リチウム水溶液(18.6mol)について分子動力学法によるシュミレーションをおこなった。その結果得られた溶液構造は、X線構造解析の結果とかなりよく一致した(Z.Naturforschに報告)しかし、その後シュミレーションの回数をかさねた結果得られた自己拡散係数は、実測値に比べて大きかった。これはイオン間ポテンシャルを比較的うすい溶液で用いられている値を採用したためと推定し、溶融塩で求められている値に代えて現在シュミレーションをおこなっている。
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[Publications] Kazuko Tanaka;Reita Tamamushi: Bull.Chem.Soc.Jpn.60. 31-35 (1987)
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[Publications] K.Tanaka;N.Ogita;Y.Tamura;I.Okada;H.OtaKi;G.Palinkas;E.Spohr;K.Heinzinger: Z.Naturforsch.42A. 29-34 (1987)
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[Publications] K.Tanaka;M.Nomura: JCS Faraday Trans.【I】. 87. (1987)