1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60470029
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉越 昭 東北大, 非水溶液化学研究所, 教授 (20006290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 正昭 東北大学, 非水研, 助手 (50006326)
城戸 英郎 東北大学, 非水研, 助手 (20006315)
加藤 紀元 東北大学, 非水研, 助教授 (00006305)
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Keywords | テルペン / 植物トキシン / 合成 / アニサチン / ピクロトキサノイド / ピクロトキシニン / コリアミルチン |
Research Abstract |
1.アニサチンの合成:60年度に行ったモデル合成の完成の成果を、アニサチンの全合成に活用すべく研究を開始した。アニサチンの基本的炭素骨格はヒドロインダンであり、将来必要となる炭素環上の酸素官能基の変換を考慮しながら、アニサチンの炭素骨格の立体選択的合成を試みるために、2つの合成経路の検討を行っている。ここではモデル合成で採用したのと同じように、特徴的構造の1つであるベータラクトン環を後の方のステップで組み立てる計画となっている。 2.ピクロトキサノイドの合成:左旋性カルボンから出発するピクロトキサノイドの合成については、約30ステップを要したが、ピクロトキシニンを合成することができた。この合成研究にあたっては、有機セレン化合物を利用した一般性のある新しいベータケトールの合成法を見出すことができ、ピクロトキシニンの合成に有効に使用された。さらに本研究と関連して、一般的に利用できる共役エノンの中性条件下での新エポキシ化反応も見出した。現在、さらに他のピクロトキサノイドの合成へと発展させるべく研究中である。 ベータ位にフェニルチオ基をもったビニルブテノリドを新合成ブロックとするピクロトキサノイド合成では、必要な合成ブロック、γ-ジメチル-α-(フェニルチオ)-β-ビニルブテノリドの簡便な合成を検討して、新しい方法を確立した。当面の合成目標をコリアミルチンとし、上記の合成ブロックと2-メチルシクロペンタン-1.3-ジオンとの共役付加体を作り、現在その閉環反応の方法について検討している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 加藤紀元: Chemistry Letters. 1785-1788 (1985)
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[Publications] 加藤紀元: Bulletin of the Chemical Society of Japan. 59. 1647-1649 (1986)
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[Publications] 宮下正昭: Chemistry Letters. 285-288 (1987)