1986 Fiscal Year Annual Research Report
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60470031
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
野老山 喬 阪市大, 理学部, 教授 (90046938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯尾 英夫 大阪市立大学, 理学部, 助手 (80145771)
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Keywords | 海産ジテルペノイドの合成 / 立体特異的合成 / 生理活性海産ジテルペノイド / 分子内Diels-Alder反応 / lophotoxin / pukalide / furanocembranolide / 不斉合成 |
Research Abstract |
1.lophotoxin類の合成:lophotoxinより酸化度の少い類似体pukalideの合成を目標として研究を行った。前年度の研究から鎖状前駆体の設定を改変する必要を生じたので、1-deisopropenyl-10-deaxy化合物の合成をモデルとして検討した。その結果Wadworth-Emmons-Horner反応を用いて、11,12-(Z)の二重結合を立体選択的に導入する方法が適当であることがわかった。ここで得られた前駆体をすでに確立した方法によって環化させると、目的の環化生成物がさらに分子内Diels-Alder反応を起して生成した化合物が得られた。この生成物の構造は、X-線結晶解析により確認した。つぎにこの新しい方式に従って1-deisopropenyl化合物を合成することとして、必要な鎖状前駆体の合成を行い天然物に相当するα、β-不飽和ラクトン環を含む化合物を得た。さらに環化反応を行うと目的の環化生成物と思われる生成物を得たが、確認に到っていない。この場合鎖状前駆体の合成において保護基の問題があり、効率のよい合成法とするためにはさらに検討する必要がある。 2.agelasine類の合成:まづagelasineFの合成を目標とした研究を行った。(E)-1,3-dibromo-2-buteneより出発した4段階の反応で【C_9】側鎖部分を効率よく合成した。つぎにこれとすでに立体選択的な合成法を見出している単環性部分とのカップリングを種々検討した。その結果前者を銅試薬、後者をヨウ化物とした反応によって、始めて目的の生成物を得ることに成功し、た。収率はまだ満足すべきものではなく、反応条件の改良が必要であるが目標の化合物のテルペン部分の合成の道が開けた訳である。またagelasineAの合成に関しては、最近開発したアリルシランを用いる立体特異的1段階シスクレロダン骨格合成法を適用するために、(+)-シトロネロールを出発物質として光学活性アリルシラン前駆体の合成を試みた。しかしながらまだ目的を達するに到っていない。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hideo Iio: J.Chem.Soc.,Chem.Commun.(1987)
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[Publications] Akihiro Kondo: Chemistry Lett.(1987)