1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60470048
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
吉田 寿勝 阪府大, 総合科学部, 教授 (50029443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 竜雄 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (90151795)
安逹 知浩 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (20079057)
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Keywords | Rh(【I】)クラウンチオエーテル錯体 / ring size効果 / Mo(【II】)クラウンチオエーテル錯体 / 酸素錯体 / CO錯体 |
Research Abstract |
Rh(【I】)クラウンチオエーテル錯体の求核性に及ぼす配位子のring sizeおよびconformationの効果を分子力場(MM)およびEHMO計算より調べた。【{Rh〔14〕aneS_4}^+】(〔14〕anc【S_4】=1,4,8,11-tetrathiacyclotetradecane)のRh-S距離(2.247,2.283【A!°】)はMM計算より求めたstrain freeなRh-S距離(2.32【A!°】)より圧縮されており、そのためRh原子は4S面より0.08【A!°】ずれている。この結果Rh(【I】)イオンのπ-塩基性は増大する。またモデル化合物【{Rh(SH-2)_4}^+】のEHMO計算からπ-塩基性はup-up-down-down conformerよりall up conformevが高く、逆にδ-塩基性はup-up-down-down conformerが高いことが判明した。したがって【{Rh〔14〕aneS_4}^+】えの【CH_2】【CL_2】の酸化的付加は【SN_2】機構ではなく非対称三中心中間体を経て進行する。 Mo(【II】)クラウンチオエ-テル錯体Mo【X_2】【Me_8】〔16〕ane【S_4】(X=CL,Br;【Me_8】〔16〕ane【S_4】=3,3,7,7,11,11,15,15-octameihyl-1,5,9,13-tetrathiacyclotetradecane)を塩化物についてはfac-Mo【CL_3】【Me_8】〔16〕ane【S_4】のZn末による還元で、また臭化物は 【〔MoBr_2(Co)_4〕_2】と【Me_8】〔16〕ane【S_4】との反応で合成した。これらMo(【II】)ハライド錯体は【BPh(4^_)】などのアニオン存在下【O_2】と反応し酸素錯体、trans-【{Mo(n^2~O_2)XMe_8〔16〕~aneS_4}^_】を、またCO存在下に40%Na/Mgで還元するとtrans-Mo【(CO)_2】【Me_8】〔16〕ane【S_4】を与える。現在【N_2】Fでの還元でクラウンチオエーテルMo窒素錯体の合成を行っている。 チオエーテル配位子の特性を解明するためモデル化合物【〔Rh(SH_2)_4〕^+】と【〔Rh~(PH_3)4〕^+】のEHMO計算を行いチオエーテルはホスフィンにくらべてRh(【I】)イオンのπ-塩基性を高めることを見出した。またtrans-Mo【X_2】【Me_8】〔16〕ane【S_4】とtrans-Mo-【X_2】【(Ph_2PCH_2CH_2PPh_2)_2】(X=CL,Bv)のMa【III】/【II】,Mo【II】/【I】のredo×potentialの測定よりホスフィン錯体にくらべてチオエーテル錯体が非常に還元され易い(〜1CV)ことが判った。
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