1986 Fiscal Year Annual Research Report
有機電極反応過程のフーリエ変換赤外(FTIR)分光学的研究
Project/Area Number |
60470083
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
安河内 一夫 熊本大, 工学部, 教授 (60040359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 功 熊本大学, 工学部, 助教授 (90112391)
山口 博子 熊本大学, 工学部, 助手 (60040424)
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Keywords | FTIR / 有機電極反応 / 電解重合 / 炭酸ガス還元 / チトクロムC / 電極表面測定 |
Research Abstract |
本研究では、有機化合物の電極反応の詳細を解明するため、電極表面を主にFTIR法によって分子レベルで精査し、表面化学種の同定、存在状態、物性変化などを直接検出して、その知見の増大を計ることを目的としている。当該年度の研究成果は次の様に要約される。 1.in-situ測定セルの最適化: 本研究ではFTIR装置と測定セルをマッチングさせ、目的の情報が得られるシステムを構成することが最も重要な課題となる。種々の試行錯誤を経て、厚い【C_a】【F_2】窓材を用いた独自の測定セルを完成させた。 2.FTIRシグナル測定: 上記セルを用いて、電解重合ポリピロール膜の電位によるアニオンのドーピング、脱ドーピング過程がin-situで捕えられた。また、炭酸ガスの還元過程に関連したギ酸の電極表面での吸着状態に関するin-situシグナルが電位の関数として得られた。さらに、生体分子機能修飾電極表面の評価と関連して、チトクロムCの速い電子移動が可能な機能性電極表面では、チトクロムCは見立った構造上の変化がないが、裸の金属電極表面に直接吸着したチトクロムCは、蛋白部分の構造変化が認められ、他のSERS法などで得られた結果とのよい対応性を示した。 3.問題点と課題: しかし、本研究において用いたSet upでは、1μm程度の厚さの電極表面薄層に関する知見は容易に得られるものの、さらに分子レベルでの情報を得るため1000〜3000回程度の積算を行い、差スペクトルを取る方法が必要であった。このため長時間の測定中の種々の微小環境変化などがノイズとしてシグナルに乗り、一通りの目的の測定はできたものの、詳細な議論をするだけの情報とは言い難い面を残した。現在高感度検出器を導入中で、それを用いて得られる結果をも考慮して、本研究で得られた興味ある知見について詳細な議論を行なう。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Isao Taniguchi: Proceedings of The International Symposium on Electroorganic Synthesis,will be published by Kodansha. (1987)
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[Publications] Isao Taniguchi: J.Electroanal.Chem.,to be published.
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[Publications] Isao Taniguchi: Bull.Chem.Soc.Jpn.,to be published.
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[Publications] Isao Taniguchi: Bull.Chem.Soc.Jpn.,to be published.
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[Publications] Isao Taniguchi: Proceedings of the Third International Symposium on Redox Mechanisms and Interfacial Properties of Molecules of Biological Importance (prenum Press). (1988)