1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60470097
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
太垣 和一郎 阪市大, 工学部, 教授 (30008502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 健治 大阪市立大学, 工学部, 助手 (30089958)
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Keywords | 逆ミセル / 金属酵素モデル / ペプチド合成 / イミダゾール配位子 |
Research Abstract |
1.逆ミセル反応場を用いるペプチド合成:(a)内核相に水を用いる場合。逆ミセルの内核には通常水が用いられるが、AOT界面活性剤を用いたAOT/ヘキサン/水の逆ミセル系で今までに合成した種々の脂溶性イミダゾール配位子と銅及び亜鉛イオンの形成する錯体を触媒としてアミノ酸及びそのエステルのペプチド縮合反応を検討した。その結果、アミノ基とカルボキシル基がともに遊離のアミノ酸では縮合反応は全くみられなかった。つぎにカルボキシル基がメチルエステルでは縮合反応が起るが主反応はジケトピペラジンの生成であった。(b)内核相に非水極性溶媒を用いる場合。内核相に水を用いると加水分解を抑えられないので、従来殆んど知見のないジメチルホルムアミド(DMF)を内核相に用いる可能性について検討した。その結果、AOT/ヘキサン/DMF系では逆ミセルに特徴的な反応加速を見出だした。さらにこの系では加水分解は起らず縮合反応が優先した。しかし遊離アミノ基を有するアミノ酸エステルではやはりジケトピペラジンの生成が起った。そこで現在、アミノ基保護とカルボキシル基保護のアミノ酸を用いて検討中である。 2.界面活性金属配位子の合成:今まで種々の脂溶性イミダゾール配位子を合成してきたが、何れも界面活性剤ではなく、それらの金属イオン錯体の触媒作用は他の市販界面活性剤との混合ミセル系で検討してきた。しかし上記のように加水分解には大きな活性を示すものの、ペプチド縮合を有効に触媒するまでには至っていない。そこでビスイミダゾール配位子に硫酸エステル基やアンモニウム基を導入した界面活性金属配位子の合成に努力した。現在まだ目的に成功していないが可能性は大きいと考えている。
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[Publications] K.Ogino;T.Minami;K.Machiya;O.Tomita;W.Tagaki: J.Chem.Soc.Perkin II,in contribution.
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[Publications] K.Ogino;O.Tanaka;K.Machiya;N.Kashihara;W.Tagaki: J.Chem.Soc.Perkin II,in contribution.
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[Publications] K.Ogino;N.Kashihara;T.Fujita;T.Ueda;H.Isaka;W.Tagaki: Chem.Lett.,in contribution.
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[Publications] 太垣和一郎: 高分子. 35. 938-941 (1986)