1986 Fiscal Year Annual Research Report
包接現象を利用した新しいオリゴマー分離用高分子の合成に関する研究
Project/Area Number |
60470111
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹本 喜一 阪大, 工学部, 教授 (50029170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 衛子 大阪大学, 工学部, 教務職員
稲木 良昭 大阪大学, 工学部, 講師 (80029230)
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Keywords | 核酸 / オリゴマー / 高速液体クロマトグラフィー / シリカゲル / 分離 / 相互作用 / 核酸塩基 |
Research Abstract |
DNAやRNAなどの核酸は、医学,生化学などの研究分野において極めて重要な物質であり、近年これら核酸成分の新規あるいは改良を加えた分折法の開発が望まれている。本研究は核酸の特異的相互作用を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に利用して、核酸成分を容易に分離するシステムを開発することを目的としている。前年度はポリ-L-リジンの核酸塩基誘導体を合成し、これをHPLC用シリカゲルに固定化することにより良好な結果でオリゴマーを分離することができた。今年度は新たに核酸塩基を直接シリカゲルに担持し、核酸塩基を含むオリゴエチレンイミン誘導体の分離について検討を行った。 アデニン,ウラシルのカルボキシエチル誘導体を活性エステル化した後アミノプロピルシリカゲルと反応することにより、高い導入率で核酸塩基をシリカゲルに担持することができた。HPLC樹脂としての評価はCCP&8000(東洋ソーダ製)を用い、水,メタノールを溶離液として行った。アデニンを含む樹脂ではチミンを含むオリゴマーが良く分離された。また、チミンを含む樹脂を用いるとアデニンを含むオリゴマーが良く分離された。溶離液として水を用いた場合には市販のODSカラムを用いた逆相系と同様に疎水性相互作用により分離し、一般にアデニンを含むオリゴマーの分離の方が良い結果が得られている。一方、メタノールを溶離液に用いると疎水性相互作用はみられず核酸塩基間の相補的塩基対形成による選択的相互作用による分離が観測された。 以上の結果より核酸塩基誘導体を担持したHPLC樹脂により、相補的水素結合を用いた分離が可能であることが明らかとなり、核酸の成分であるオリゴ又クレオチドや又クレオシドの分析にこのHPLCシステムを利用できるものと思われる。
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Research Products
(1 results)