1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60470120
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
清水 祥一 名大, 農学部, 教授 (00025842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 恒夫 名古屋大学, 農学部, 助教授 (70026102)
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Keywords | 多重流加培養法 / Pseudomonas aeruginosa / リパーゼ / 排ガスのC【O_2】濃度 / 原価計算式 |
Research Abstract |
2種類以上の基質を同時に流加する培養方式を多重流加培養法と名付けその最適化手法の確立を目指して、本年度は次の2点について研究した。1.目的代謝産物が菌体外に蓄積する例として、Pseudomonas aeruginosaによるリパーゼの生合成を取り上げ、回分および多重流加培養を多数回実施し次のような知見を得た。 (1)回分実験により、温度は23℃、pHは6.5が、リパーゼ生産に最適であることが判明した。また、炭素源として、オリーブ油を高濃度(200g/1)に仕込むと、330unit/mlに達するが、これは、オリーブ油当りの収率に換算すると著しく低く、回分培養は生産性が低いことがわかった。 (2)オリーブ油の定流量流加実験により、窒素源として尿素よりアンモニアを用いる方が、酵素の生成が高くなることがわかった。また、これらの一連の実験により、酵素比生産速度及び酵素収率両面において、最適なオリーブ油比供給速度の存在することがわかった。 (3)以上の結果に基づき、発生する炭酸ガスに比例してオリーブ油を供給したところ、比例定数が30〜33(gーoil/mol C【O_2】)の時に、1000unit/mlという高い最終酵素濃度を得た。 (4)最終的に、回分培養を20時間行い、次の25時間は発生炭酸ガスに対するオリーブ油の供給速度を高くし、その後は低くするという流加培養により、1200unit/mlという極めて高い最終酵素濃度を得ることができた。 2.目的代謝産物が菌体外に蓄積する場合の原価に関する理論的考察 微生物反応プロセスの直接コストは原料コストとランニングコストの和であると考え、各培地成分基準の目的代謝物収率及び目的代謝物の生産牲の和から成る計算式を提出した。そして、高菌体濃度だけ達成することは望ましくないことを明らかにした。
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[Publications] Takahiro SUZUKI: Applied Microbiology and Biotechnology. 23. 322-329 (1986)
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[Publications] Takahiro SUZUKI: Jounal of Fermentation Technology. 64. 63-70 (1986)
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[Publications] Takahiro SUZUKI: Applied Microbiology and Biotechnology. 23. 366-369 (1986)
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[Publications] Takahiro SUZUKI: Applied Microbiology and Biotechnology. 23. 370-374 (1986)
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[Publications] Takahiro SUZUKI: Journal of Fermentation Technology. 64. 317-326 (1986)
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[Publications] Pramote SIRIROTE: Jounal of Fermentation Technology. 64. 389-396 (1986)