1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60470147
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田村 恭光 阪大, 薬学部, 教授 (40028824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 弘道 大阪大学, 薬学部, 助手 (10173410)
北 泰行 大阪大学, 薬学部, 助教授 (00028862)
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Keywords | 4-デメトキシダウノマイシン;ダウノマイシン / 4-デメトキシ-11-デオキシダウノマイシン / 11-デオキシダウノマイシン;制癌抗生物質 / ダウノサミン |
Research Abstract |
4-Demethoxydaunomycin(【1!〜】),daunomycin(【2!〜】)および11-deoxydaunomycin(【3!〜】)は強力な制癌剤として世界的に注目を浴びている。我々は、ホモフタル酸無水物およびその関連化合物が強塩基により高収率で種々のキノン類と環化付加反応を起こすことを明らかにし、既に60年度の本研究計画でこの反応を用いて【1!〜】【2!〜】のアグリコン類の収率の良い合成法を確立した。以下61年度の研究計画に基づいて順に研究実績の概要を述べる。まず計画i)に関してラセミのアントラサイクリノン(【4!〜】)の合成を完成したので、次に我々の研究室で開発した【C_2】-対称を有するジオール由来の光学活性ケトアセタールの不斉アルキル化反応をA環構築法に応用し、高い光学純度で【1!〜】,【2!〜】の重要中間体の合成に成功した。更にcis-1,3-ジオールを足がかりとする光学分割法も検討し、現在ほゞ問題点が解決できたところで、光学活性アントラサイクリンの合成も時間の問題である。我々はこれと並行してラセミのアントラサイクリノン類を用いて天然ダウノサミン及びその誘導体とαグリコシデーションを検討した。その結果4-デメトキシダウノマイシノンは最近寺島ら(相中研)により開発された適当に修飾されたダウノサミンの1-0-アシル糖をトリメチルシリルトリフレートを用いる方法で首尾よく目的のα-グリコシド【1!〜】に変換できた。一方ダウノマイシノンは本方法では全くグリコシドが得られず、種々検討した結果13-ケトンのアセタール体を用いて目的を達成できた。又ダウノサミンの代わりに非天然型のアミノ糖や中性糖とのグリコシデーションを行い、天然型及び非天然型のグリコシドの合成を行った。次いで計画2)に従い我々独自に開発したシリルケテンアセタールとD-グリセルアルデヒドより得られるニトロン体との1.3-付加反応を用いる方法を用いてL-ダウノサミンをはじめ天然及び非天然型のアミノ糖類の合成にも成功した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 田村恭光: Tetrahedron Letters. 29. 195-198 (1986)
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[Publications] 田村恭光: Chem.Pharm.Bull.(1987)
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[Publications] 田村恭光: J.Org.Chem.(1987)