1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60480010
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
芦原 坦 お茶大, 理学部, 講師 (00017211)
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Keywords | 解糖系 / 代謝調節 / 植物培養細胞 / ホスホクルクトキナーゼ / フルクトース2,6-ビスリン酸 / ピロリン酸 |
Research Abstract |
植物細胞における解糖系活性は、他の生物にみられるようにATP依存ホスホフルクトキナーゼ(ATP-PFK)により調節されると考えられてきた。しかし、最近発見されたピロリン酸依存ホスホフルクトキナーゼ(ppi-PFK)が多くの植物に存在することが明らかになり、植物の解糖系は、動物とは一部異なっており、全く違う機情で代謝調節が行われる可能性が推定された。そこでまず、PPi-PFKが植物の解糖系にどの程度関与しうるかを調べた。ニチニチソウの液体活素細胞の生長に伴うATP-PFK、PPi-PFKの活性変動を調べたところ、十分量のフルクトース2,6ビスリン酸(F26BP)存在下では、培養のどの時期でも、PPi-PFKの活性の方が、ATP-PFKの活性より3-5倍高かった。しかし、F2、6BPなしでは、PPi-PFKの活性は、全く検出できなかった。両酵素とも、定常期の培養細胞を新しい培地に移すと活性が増加し、呼吸活性が増加する誘導期(1-2日目)から細胞分裂期(2-3日目)にかけて最大活性が認められた。細胞内のF2.6BPおよびPPiレベルを測定したところ,F2,6BP,PPiレベルとも誘導期で最大となり生長が進むにつれて減少した。F2,6BPおよびPPiの細胞質における溶度を推定すると、それぞれ9MM,1.5mmに相当し、PPi-PFKが細胞内で実際に働きうる範囲であると考えられた。次に、解糖系のどの段階が律連反応となるかを調べるため、解糖系の全酵系および関連酵素の活性を測定したところ、ホスホフルクトキナーゼの反応よりは、ヘキソキナーゼ、ビルビン酸キナーゼの反応が調節的である可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 芦原担(ASHIHARA,H.): Zeitschrift f【u!¨】r Naturforschung. 41C. 529-531 (1986)
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[Publications] 芦原担(ASHIHARA,H.): Journal of Plant Phsiology. 124. 77-85 (1986)
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[Publications] 芦原担(ASHIHARA,H.): Zeitschrift f【u!¨】r Naturforschung. 42C. (1987)