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1986 Fiscal Year Annual Research Report

テトラヒメナの分裂停止突然変異株を利用した細胞分裂の分子機構の解析

Research Project

Project/Area Number 60480017
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

渡邉 良雄  筑大, 生物科学系, 教授 (00015918)

Keywordsテトラヒメナ / 細胞分裂機構 / 分裂停止突然変異体 / 変異遺伝子産物 / テトラヒメナ・アクチン / アクチン遺伝子
Research Abstract

我々は動物細胞の分裂機構を知るため、繊毛虫テトラヒメナを用い、分裂停止突然変異体の解析を中心に研究を進めてきた。本年度の成果を以下に述べる。1.分裂停止突然変異株cdaA1は分裂面の位置決定に関する温度感受性突然変異体である。我々は、野生株との蛋白質の比較で分子量85K,等電点4.7の蛋白質(P85)に差を認めた。本年度ではp85を精製し、モルモットで抗体を調製し、さらにこの抗体を用いて分裂周期に伴うp85の局在を蛍光抗体法で観察した。その結果、p85は分裂溝陷入直前に赤道面に局在することが分かり、局在直後に分裂帯(fissiox zone)の形成が起り、やがてこれらは後方娘細胞の先端にある"apical ring"になっていくことが分った。一方、限界温度條件下では、赤道面への局在が観察されず、その後の分裂帯形成や分裂も全く起らないことが分かり、p85が分裂面決定主要因子であることが判明した。現在p85の生物学的機能を検討中である。2.分裂停止突然変異株cdaC6は分裂溝直下にある収縮環微小繊維を束ね、収縮環の収縮を表層に伝達する構造(LS)に温度感受性の欠陥を持つことを以前に報告した。我々はLSの分離の前提としてテトラヒメナ・アクチンの同定・精製する必要があった。しかし、テトラヒメナではアクチンの存在に関して長期間の論争が継いていた。そこで、細胞性粘菌のアクチン遺伝子をプローブにしてアクチン遺伝子をクローニングし、配列決定を行った。この遺伝子は活発に転写されていることが判明したので、遺伝子から推定されるアミノ酸配列のN未15残基を合成し、その抗体を調製し、免疫ブロット法で二次元電気泳動上でのアクチンを同定した。テトラヒメナアクチンは分子量・等電点共既知のアクチンのそれらと異る特有なものであるが、分裂溝等に局在しアクチンとしての生物学的機能を持っている。今後テトラヒメナ・アクチンを精製し、性状を調べると共に、LSのような結合蛋白質の検出も行う予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] Ohba,H.;Ohmori,I.;Numata,O.;Watnabe,Y.: Journal of Biochemistry. 100. 797-808 (1986)

  • [Publications] Hirono,M.; Endoh,H.;Okada,N.;Numata,O.;Watanabe,Y.: Journal of Molecular Biology. 193. (1987)

  • [Publications] 沼田治,渡邊良雄: "細胞骨格の構造と機能(下)(テトラヒメナの中間フィラメント)" 続生化学実験講座(日本生化学会)・東京化学同人, 372-382 (1986)

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Published: 1988-11-09   Modified: 2016-04-21  

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