1986 Fiscal Year Annual Research Report
高解像光学系と超低照度カメラ-VTRシステムによる弱複屈折性細胞骨格の画像解析
Project/Area Number |
60480020
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 英美 名大, 理学部, 教授 (40109260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 幸子 松蔭女子学院大学, 助教授 (80123636)
加藤 豊樹 名古屋大学, 理学部, 助手 (40115548)
黒田 英世 名古屋大学, 理学部, 助教授 (50064845)
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Keywords | 弱複屈折性 / 高感度VTR / 画像解折 / 高解像ノマルスキー効果 |
Research Abstract |
高感度・高解像偏光顕微鏡(日本光学),WV1900超低照度カメラ,タイムラプスVTRシステム(ナショナル)の組合せに、イメージシグマの画像処理装置(特注品)を取りつけ、略2予想通りの弱複屈折性細胞骨格の検出装置が完成した。ノイズレベルが低下した結果、1nm程度の波の遅れ量が正確に記録でき、再現性も高い。この装置による研究成果を下記する。 1)タコノマクラ,バフンウニ受精卵の正常発生と対応した紡錘体の連続記録を試み、核分裂抑止剤T-1によるパルス処理と樽型紡錘体の形成過程、および染色体運動と対応した弱複屈折構造の消長を、画像処理法で比較検討した。2)5nm金コロイドで標識したチュブリン抗体を顕微注射し、金微粒子が示す円偏光二色性を増感処理で検出した生体内における標識チュブリンの分布から、微小管重合・脱重合の動態を明かにする可能性を確かめた。この爲には偏光子・検光子をグラン・トムソンプリズムに換え、消光係数と透過偏光の輝度を高める必要がある。しかし、この改造により、細胞内での個々のIgGの挙動が正確に画像記録できることになり、従来の蛍光標識法の欠点を大きく修正できると考えている。3)蛍標識チュブリンの重合をスライドグラス上で再現させ画像記録を行った。また、蛍光標識した核毒コルセミドをプローブとし、チュブリン及び微小管のコルセミド結合部位を決定した。4)Haemanthus Katherinalの内胚乳細胞の分裂紡錘体に及ぼす核分裂抑止剤T-1の影響を、複屈折性の消長から検討した。 この装置の欠点は、複屈折性構造の検出に重点を置いた爲に、非複屈折性の一般細胞構造が見難いことであった。しかし、これも、偏光光学系と高解像アポクロマートレンズ、及びコンンデンサーに適当なウオラストンプリズムを組合せることで、高解像ノマルスキー像がえられる事を確かめた。これが次年度の研究目標となる。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Takane Ohara;Hidemi Sato: Development,Growth and Differentiation. 28. 125-135 (1986)
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[Publications] Tomohiko J.Itoh;Hidemi Sato;Akio Kobayashi: Zoological Science. 3. 225-264 (1986)
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[Publications] Takane Ohara;Hidemi Sato: Development,Growth and Differentiation. 28. 369-373 (1986)
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[Publications] Andrew,S.Bajer;Hidemi Sato;J.Mole-Bajer: Cell Structure and Function. 11. 317-330 (1986)
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[Publications] 佐藤英美: 生体の科学特集「細胞生物学実験マニュアル」. 37. 313-315 (1986)
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[Publications] Tomohiko J.Itoh,Hidemi Sato and Akio Kobayashi: Zoological Science. 4. (1987)
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[Publications] 佐藤英美: 細胞工学. 6. (1987)
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[Publications] Shuichi Obata;Hideyo Kuroda: Developmental Biology. 124. (1987)
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[Publications] Toshiaki Hiratsuka and Toyoki Kato: Journal of Biological Chemistry. (1987)
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[Publications] Toyoki Kato and Toshiaki Hiratsuka: European Journal of Biochemistry.
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[Publications] 佐藤幸子: 松蔭女子学院大学・短期大学自然科学研究紀要. (1987)
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[Publications] 佐藤英美,丸山・矢原 編: ""複屈折法"続生化学実験講座6「細胞骨格の構造と機能」" 東京化学同人, 12 (1986)