1986 Fiscal Year Annual Research Report
標識アミノ酸投与動物の全身オートラジオグラフィーと代謝産物の分離分析
Project/Area Number |
60480102
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
木原 隆 阪医大, 医学部, 教授 (60084802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 正明 大阪医科大学, 医学部, 助手 (20131352)
後藤 秀幸 大阪医科大学, 医学部, 助手 (20142656)
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Keywords | 標識アミノ酸 / ロイシン / ヒスチジン / アルギニン / 全身オートラジオグラフィー / 高速液体クロマトグラフィー |
Research Abstract |
投与されたアミノ酸の体内分布と代謝の経時的変化及び臓器特異性を明らかにする為に、マウスに【^(14)C】標識アミノ酸の静脈注射を行い、一定時間後(5,30,60,180分)の体内分布を酸処理及び未処理全身切片のオートラジオグラフィーにより明らかにした。オートラジオグラフ黒化度測定に前年度と同じくドラムスキャナーを用い臓器内分布の詳細を知ることができた。他の一群では注射後1,5,10,30分に主要臓器を剔出し酸可溶性、酸不溶性、脂質画分に分画し、酸可溶性画分にはHPLCを、酸不溶性画分にはゲル濾過を行った。本年度はロイシン,ヒスチジン,アルギニンについて行った。 全身オートラジオグラフは投与後5分ではロイシン,アルギニンは膵の放射能が特に高く、ヒスチジンは膵,肝で高かった。酸処理切片のオートラジオグラフィーによる各臓器の黒化度の減少度はアミノ酸により多少異なるが体内分布は殆んど変っていないことが明らかになった。各臓器の黒化度の経時的変化はアミノ酸により異なり、ロイシンの場合殆んどの臓器の黒化度は時間と共に減少し、アルギニンは投与後5-30分で最大値を示し、ヒスチジンでは投与後180分までほぼ同じ値を示すか増加する傾向が見られた。 ヒスチジン投与の場合、酸可溶性画分のHPLCによる分析の結果、投与後1分の血液にはヒスチジン画分以外にイミダゾールピルビン酸画分にも放射能が認められたが、主要代謝物であるヒスタミン及びウロカニン酸画分には放射能が検出されなかった。肝,腎,脳や小腸でも同様の結果を示した。代謝物の【^(14)C】取り込みの経時的変化はヒスチジン代謝の臓器特異性を元唆している。酸不溶性画分をげル濾過により分析した結果、膵,肝,腎や小腸では分子量3万から4万の蛋白質画分に高い放射能が認められ、このことに臓器間の大きな差異はなかった。アルギニンの場合臓器剔出、分画及び分析は来年度計画している。
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Research Products
(2 results)