1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60480103
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山田 英智 福岡大, 医学部, 教授 (30037311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 皓一 福岡大学, 医学部, 助教授 (60078780)
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Keywords | ゴルジ装置 / 急速凍結法 / 凍結置換法 / 電子顕微鏡法 / 細胞内タンパク修飾 |
Research Abstract |
1.膵臓の小片を液体ヘリウム温度で急速凍結した後、Os【O_4】含有純アセトンで凍結置換,包埋,超薄切片を作製し電顕で観察した。(1)マウス膵外分泌細胞のゴルジ装置では、cis側ゴルジ槽からtrans側への槽へと、その内容の電子密度が次第に増加し、分泌果粒の密度に近づくのが認められたが、いわゆるrigid lamellaと呼ばれるtrans側の槽には密度の増加はなかった。(2)モルモット膵外分泌細胞では、粗面小胞体からの移行小胞の出芽形成過程が多く認められた。また小胞が連続して分枝細管状を呈する像も観察された。つぎに最cis側のゴルジ槽が他の槽とは異なる形態を示し、約30nm厚のほぼ均等な平板状を呈していた。この槽と粗面小胞体の間に、微細な均一細胞質基質で埋められていた領域があり、移行小胞はこの中に存在していた。ゴルジ層板周囲には多数の小胞が存在し、その数は通常の化学固定の像に比べて多いようである。いわゆる移行小胞は径約60nmであるがこれよりやゝ小型の小胞(〜40nm径)がゴルジ層板の外側からtrans側の周辺に存在していた。 2.ラットの肝臓から肝細胞を分離し初代培養したものに、種々の薬剤(【10^(~6)】M Monensin,10mM Methylamine,100μM Chloroguine,20mM Trisaminomethane,【10^(~6)】μg/ml BrefeldinA)を、0.5および2hrs.作用したのち、固定,包埋,切片を作製し、その形態とくにゴルジ装置の構造変化を対照資料と電顕で比較した。同時に平行して池原教授の研究室でなされた生化学的分析成績とも比較検討した。その結果、弱塩基性アミンがtrans側ゴルジ槽の拡張をもたらし、この部でのタンパク質processingを阻害し、かつ分泌を抑制すること、また、Brefeldin Aは粗面小胞体からゴルジ装置への小胞輸送を阻害するらしいこと、などが考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] E.Yamada;Y.Koriyama;K.Oda;Y.Ikehara: Proc.XIth Int.Cong.on Electron Microscopy,Kyoto. 3. 2535-2536 (1986)
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[Publications] K.Oda;Y.Koriyama;E.Yamada;Y.Ikehara: Biochem.J. 240. 739-745 (1986)