1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60480132
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小野 輝夫 新大, 医学部, 教授 (00000927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 昌司 新潟大学, 医学部, 助手 (60018702)
加納 英雄 札幌医科大学, 教授 (70045475)
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Keywords | L-FABP(肝型脂肪酸結合蛋白) / 内因性脂肪酸 / アラキドン酸 / DG-kinase(Diacylglycerol kinase) |
Research Abstract |
1.rat L-FABPのcharge isoforms:DE-52で分画したA,B二種のL-FABPについて、IEF,内因性脂肪酸,脱脂及び還元後の電気泳動像,69位Cysの酸化還元面から検討した。A・B両画分の画泳動像は完全な再現性を示さず、L-FABP分子中に脱アミドされ易いGln,Asnの存在が示唆された。かかる分子の不安定要素のほか内因性脂肪酸、69位Cys酸化還元状態が分子のCharge isoformの成因となっていることを明らかにした。分子1モル当りパルミチン酸の結合能は、69位Cysの遊離型で1.7モル、グルタチオン抱合型で1.2モルと結合比に差が認められ、この種のcharge isoformは互に代謝での役割を異にすると推定される。2.食餌性脂肪とrat腸組織L-FABP:ratに高脂肪食を与えた群は対照食群に比べて肝、腸いずれの組織でもL-FABPの合成促進、誘導は観察されずcircadian rhythmもcharge isoform patternの著明な変化は認められなかった。3.L-FABPの発現:ratFABPのpolyclonal抗体を用いた免疫組織化学検索で、ヒト胎児のhepatoblastomaでヌードマウスに継代移植したcellのみ陽性を示し、クローン化したrat肝M-6cell、アゾ色素投与肝のhyperplastic nadulesでは共に陰性を示すなど、陰性組織では免疫学的にL-FABPと異なる分子種の発現が推定される。4.細胞応答:各種ホルモンや刺激に対する細胞応答の一種PIターンオーバーは、Protein-Kinase Cの2rd messengerであるDG産生とProstaglandinsをはじめとする各種生理活性物質の前駆体となるアラキドン酸の放出を伴うが、アラキドン酸の供与体であるDGはリパーゼの他DG-Kinaseにより代謝される。内因性アラキドン酸はL-FABPのacidic formの分画と結合しておりその特異的機能が示唆された。またブタ脳より精製したDG-kinaseは2-MGをりん酸化でき、酸素自身【Ca^(2+)】や、Cyclic nucleotidesに依存しないprotein kinaseによりserine部位がりん酸化されるphospho proteinの一種であることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 人見雅治: 脂質生化学研究. 28. 285-288 (1986)
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[Publications] 小野輝夫: 日本消化器病学会誌. 83. 597-598 (1986)
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[Publications] Hideo Kanoh: J.Biol.Chem.,. 261. 5597-5602 (1986)
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[Publications] Hideo Kanoh: FEBS Letter. 201. 97-100 (1986)
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[Publications] 小野輝夫: "プロスタグランジン講座(Z-プロテインの項)" 東京化学同人, (1987)