1986 Fiscal Year Annual Research Report
内毒素の生体膜に対する障害作用の機序に関する新仮説
Project/Area Number |
60480167
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
吉田 昌男 岩手医大, 医学部, 教授 (50048229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 伸子 岩手医科大学, 医学部, 助手 (90128926)
稲田 捷也 岩手医科大学, 医学部, 講師 (80048446)
平田 陸正 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20048359)
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Keywords | 内毒素 / 生体膜障害 / 顆粒球 / 内毒素結合蛋白 / リソゾーム / 塩基性蛋白 / 赤血球凝集反応 / 抗菌活性 |
Research Abstract |
1.塩基性蛋白(CAP)の精製程度:ウサギ腹腔顆粒球より、クエン酸抽出,エタノール沈殿,高速液体クロマトにより分子量5万〜6万および1万以下の2つの活性画分を得た。 2.CAPによる内毒素(LPS)感作赤血球凝集反応(CAP-HA):CAPはRe-LPSで感作したヒト、ヒツジ、マウス赤血球を凝集させた。感作に用いたLPSの構造との関係では、CAPの活性はR型LPSに対して強くS型LPSに対して弱かった。また、R型LPSのR変異の程度に依存して高まった。CAP-HAは、CAPとS〜Re-LPSまたはリピドAとのインキュベーションにより抑制された。一方、CAPとRe-LPSとのインキュベーションにより、Re-LPSの赤血球膜への結合能が失なわれた。 3.CAPとLPSとの結合性:CAPとRe-LPSとを混合すると、CAP濃度に依存して混合液の濁度が増加した。こと濁度の増加は低イオン強度の条件下で著名であり、至適PHは6〜7であった。CAPとRe-LPSの混合液の濁度が最も高く、ついでCAPとリピドAであり、S-LPSとでは濁度増加の程度は弱かった。また、CAPとRe-LPSとの結合は可逆的であった。この実験から、CAPはRe-LPSのKDO-リピドA部分とイオン結合および疎水結合を介して結合し、その結果疎水性が高まり不溶性の複合体が形成されること、このことが上記CAP-HAの原因となることが明らかとなった。 4.CAPの抗菌活性:S.typhimurium,S.minnesotaに対して抗菌活性を示した。等張の条件下ではCAPの抗菌活性はRe菌に対して強かったが、低張の場合はS,Re菌に同程度の活性を示した。すなわち、CAPの抗菌活性は溶媒のイオン強度により大きく異なり、CAPと細菌との結合能の差に支配されることが示された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Hirata;N.Tsunoda;K.Inada;M.Yoshida: J.Immunol.Immunopharmacology. 【VI】. 171 (1986)
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[Publications] 平田陸正,角田伸子,稲田捷也,吉田昌男: 第33回毒素シンポジウム予講集. 33. 134-139 (1986)
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[Publications] 平田陸正,角田伸子,稲田捷也,吉田昌男: 日本細菌学雑誌. 41. 354 (1986)
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[Publications] 平田陸正,角田伸子,吉田昌男: 血液と脈管. (1987)
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[Publications] 角田伸子,平田陸正,吉田昌男: 日本細菌学雑誌. 42. 425 (1987)