1986 Fiscal Year Annual Research Report
高速自動車道周辺居住区における浮遊粉塵の同定とその吸着特性についての研究
Project/Area Number |
60480188
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
佐々木 武史 滋医大, 医学部, 教授 (00079740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 義邦 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80161462)
山川 正信 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (70110567)
西田 耕之助 京都大学, 工学部, 助教授 (30025952)
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Keywords | 高速道路 / 浮遊粒子状物質 / 粒度分布 / 多環芳香族炭化水素 |
Research Abstract |
1.高速道路周辺における浮遊粒子状物質及びガス状汚染物質の鉛直方向の拡散性状についてーーガス状汚染物質については、高速道路に対して直角風の場合かつ風速1m/sec末満の時には、路面より約200m離れた地点で、いずれのガス状汚染物質も地上約50〜60m上空の濃度が最も高く、また、風速1m/sec以上の場合は、地上約30〜40mの濃度が最高値となった。一方、浮遊粒子状物質は、いずれの風速の場合も顕著な濃度変化は認められず、高度の上昇に伴って濃度減少の傾向が認められた。このことは、大粒子の重力沈降による影響と考えられ、従って、より上空域では全浮粉麈中に占める微細粒子の比率は高くなり、ガス状汚染物質の拡散挙動と同様の傾向を示すことが予想される。これらを詳細に把握するため、今後は浮遊粒子状物質の鉛直方向の粒度分布について検討することを予定している。 2.高速道路に対し、水平方向の浮遊粒子状物質の粒度分布についてーー路側より60m離れた地点において、浮遊粒子状物質濃度200〜350μg/【m^3】を認め、一般道路沿道での測定値(20〜30μg/【m^3】)の約10倍であった。路側より60m、120m、290mの地点における粒度分布は、いずれの地点においても0.7μm以下、及び10μm付近にピークが存在し、二峯性であることが認められた。また、生体への直接的影響を考慮しなければならない5μm以下の微小粒子の全浮遊粉麈に占める割合は、いずれの地点においても70%以上を占めていることが認められた。 3.浮遊粒子状物質の同定ーー液体クロマトグラフィー法及びGC-MS法によりこれまでベンツ(a)ピレン等の多環芳香族炭化水素及び6-ニトロベンツ(a)ピレン等の芳香族ニトロ化合物のうち計6物質を分級式H-Vの各フラクション中に認めたが、試料量が少量のため定量まで至っていない。今後、試料量の増加を目的に48時間捕集を計画している。
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[Publications] 山川正信: 日本衛生学雑誌. 41. 169 (1986)
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[Publications] 山川正信: 日本衛生学雑誌. 41. 170 (1986)
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[Publications] 喜多義邦: 日本衛生学雑誌. 41. 171 (1986)
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[Publications] 喜多義郎: 日本衛生学雑誌. 41. 172 (1986)