1987 Fiscal Year Final Research Report Summary
Project/Area Number |
60480289
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 修 東京大学, 医学部(病), 教授 (40009923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 淳 東京大学, 医学部, 助手
平林 慎一 東京大学, 医学部, 助手 (60173259)
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Project Period (FY) |
1985 – 1987
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Keywords | ラット / 異所性頭部移植モデル / 成長制御 / funotional.matrix / 頭蓋顔面骨 / 完全脳虚血 |
Research Abstract |
『頭蓋顔面骨に自律的成長制御能があるか否か』を調べる為, 微小血管吻合方を用いて, 幼若ラットの頭部を同系ラットの鼠蹊部に移植したモデルを考案作製した. 本モデルの特徴は, 従来の『骨移植モデル』に見られたような(1)移植骨周囲の瘢痕, (2)血行動態の著しい変化, がない点にある. 本モデルを用い, 鼻骨, 上顎骨, 口蓋骨および下顎頭の成長制御について検討を加えた. 評価方法としては, (1)実体顕微鏡による測定, (2)規格X線撮影を利用した測定, (3)非脱灰研磨標本CMR法, (4)同骨ラベリング法, (5)脱灰標本オートラヂオグラフィー法, などの各方法を用いた. 結果は以下の通りである. 1.移植後5週以上にわたって, 鼻骨, 上顎骨, 口蓋骨にsutunal deposit outward remodeldnoが認められた. これよりこれらの顔面骨は少なくともある程度の自律的成長制御能を持っていることが示唆された. 特に, 従来外力によって生じると考えられてきたsutural depositが外力が全く働いていないと考えられる移植頭の顔面骨に見られたことは極めて興味ある所見と言える. 2.移植後2週目まで下顎頭軟骨の増殖が認められた. ただしその後はこの増殖層も側方から骨によって置換された. 一方, 内軟骨性骨化を思わせる所見はこの移植頭ではほとんど見られず, この内軟骨性骨化には外力が必要なことが示唆された. ついでこれは当初の計画にはなかったものであるが, 本モデルが長時間完全脳虚血モデルとして有用であることが判明した為, 脳虚血の実験を併せ行った. その結果は以下の通りである. 1.同じ阻血時間では, 10日令ラットの方が3週令ラットよりも脳障害が少なかった. これより日令の若い程脳は虚血に強いことが示唆された. 2.虚血中頭部を冷却することより脳損傷が軽くなることが示された.
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[Publications] Hirabayashi, S.;Harii, K.;Sakurai, A.;Takaki, E.;E. K.;Fukuda, O.: Plastic and Reconstructive Surgery.
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[Publications] 平林慎一, 渡利井清紀, 桜井淳, 秋月種高, 福田修: 日本形成外科学会誌.
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[Publications] Hirabayashi, S.;Harii, K.;Sakurai, A.;Takaki, K. E.;Fukuda, O.;Hasegawa, A.: Acta Neurologica Scandinavica.
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[Publications] 桜井孝, 平林慎一: 神経外科.