1986 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓外科における硬変肝構成細胞の特性に関する基礎的および臨床的研究
Project/Area Number |
60480296
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
水戸 廸郎 旭川医大, 医学部, 教授 (60000981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 啓史 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60153714)
草野 満夫 旭川医科大学, 医学部, 講師 (70091569)
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Keywords | 肝硬変細胞 / 肝細胞脾臓内移植 / 肝再生 / Kupffer細胞機能 / フローサイトメトリー |
Research Abstract |
本研究の主な課題として、(1)人肝硬変に類似した不可逆性の実験肝硬変モデルの確立、(2)人肝硬変および実験肝硬変からの硬変肝細胞の分離、(3)生体内培養実験によるこれら分離硬変肝細胞の形態、機能的特性の検索などである。これまで、C【Cl_4】投与により作製した硬変肝細胞の分離とその脾内移植はすでに終了しており、またヒト硬変肝から硬変肝細胞を大量に分離することに成功し、現在これら硬変肝細胞のフローサイトメトリーによる細胞動態解析、さらにヌードマウス脾内移植による生体内培養実験を行なっており、実験研究は当初の計画通り順調に進んでいる。 以下、該当年度(昭和61年度)における研究成果と今後の研究計画について報告する。実験【I】について:肝硬変における肝非実質細胞の機能的変化・・Percoll gradient法により肝非実質細胞であるKupffer細胞、脂肪摂取細胞の分離が可能となった。硬変肝のKupffer細胞機能についてFITC latex投与し、flowcytometryで検索する新しい方法を用いている。予備実験で硬変肝のKupffer細胞の機能の低下をみている。本法は、Kupffer細胞貧食能を判定する新しい方法として期待できる。実験【I】-2について:独自で開発した多肢灌流法(大量の組織からの分離)および再灌流式チャンバーにより、少量の臨床検体ヒト硬変肝(0.5g)からも硬変肝細胞を大量(【10^6】個以上)に分離することに成功した。おもな実験方法3の再生および細胞動態の評価について:この実験にはflowcytometryを用いた細胞回転動態および抗BrdUモノクロナール抗体標識によるS期細胞数から解析し、新たな再生評価法の確立を目指している。実験【I】-2:すでに20匹のヌードマウスにヒト肝細胞の脾内移植を試みており、現在経過観察中である。また生着率を上げるために、移植と同時に宿主肝の肝切除を付加した実験群を作製、検索している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山口秀則: 第4回FCM-Cell Biology研究会抄録. 47 (1986)
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[Publications] 紀野修一: 第4回FCM-Cell Biology研究会抄録. 48 (1986)
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[Publications] 河野透: 第4回FCM-Cell Biology研究会抄録. 49 (1986)
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[Publications] 草野満夫: 第4回FCM-Cell Biology研究会抄録. 50 (1986)
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[Publications] 草野満夫: 日本肝臓学会雑誌.
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[Publications] 紀野修一: 日本肝臓学会雑誌.