1987 Fiscal Year Annual Research Report
解離性大動脈癌に対する外科療法ーカテーテルによる解離口閉鎖法の開発ー
Project/Area Number |
60480318
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小澤 修一 神戸大学, 医学部, 講師 (60116209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 長司郎 神戸大学, 医学部, 助手 (00144569)
松森 正之 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30101067)
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Keywords | 解離性大動脈癌 / Entry / Spiral / Dalloon / カテーテル |
Research Abstract |
最近開発したSpiral balloon type のカテーテルについて回路実験を行った. 本カテーテルは,バルーン縮少時の外径が1.5cm,バルーン膨張時の内径が1.5cm,外径が2.0〜2.8cmである. 回路は,人間の大動脈に解離が発症した病態に類似した装置で,閉鎖回路の一部が2連統となり,Entry及びreーEntryに相当する2ヶ所の穴で互に連っている. このEntry及びreーEntryの大きさは外から変化させることができる. この回路の本幹にSpiral Balloon カテーテルが挿入可能な側枝がついており, ここから挿入し Entryの高さで, バルーンを膨張させた. 回路に造影剤を含んで水を,ローラーポンプ及び抑動流ポンプで灌流させ,バルーンを縮少させた状態及び膨張させた状態でDSAによる撮影を行い.観察した. またバルーン前後の圧を測定した. 回路内圧を200mnHgにまで上げたが,バルーン前後の圧較差は認めなかった. またEntryの大きさを1×0.5cmから1×2cmの大きさまで変化させ,バルーンを膨張させDSAのシネ撮影にて,Entry閉鎖の効果を調べたところ,Entryは完全に閉鎖されるのが観察された. 以上で本カテーテルは, 直径1×2cm程度までの大きさのEntryであれは,閉鎖が可能であり,また膨張時にもバルーン前後で圧較差を認めなかったことから,血行動態に悪影響を及ぼす恐れもないと考えられた. しかし, バルーン縮少時の外径が1.5cmあるので,現在の段階では,腹部大動脈からしか挿入することができず,できれば大腿動脈からの挿入が可能な1.0cm以下にまで小型化するのが理想と考えられた.
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