1986 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞癌における胎盤性ロイシンアミノペプチターゼの臨床的研究
Project/Area Number |
60480355
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
栗山 学 岐大, 医学部, 講師 (30021439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 敏視 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (30171614)
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Keywords | 胎盤性ロイシンアミノペプチダーゼ(P-LAP) / 腫瘍マーカー / 腎細胞癌 / 尿路性器腫瘍 |
Research Abstract |
本年度の研究目標は、引続き検討症例数を増して血清胎盤性ロイシンアミノペプチダーゼ(P-LAP)値を測定するとともに、より感度をあげるために免疫学的測定法の開発のための基礎的検討を行うことであった。leucyl-P-nitroanilideを基質とし、L-methionine共存下で他のLAP活性を阻害する酵素法による結果は以下のように要約できた。135例の健常男性例では、24.6-74.7G-Runitに分布し、平均±2S.D.値から22-67G-Runitを正常値と決定しえた。一方、非妊婦(女性)の正常値も同様に、20-49G-Runitとした。各種尿路疾患243例の陽性率は、腎細胞癌;男性50%(15/30),女性18%(3/17),尿路上皮腫瘍;男性14%(6/53),女姓11%(1/9),前立腺癌;18%(6/33),良性腎疾患(嚢胞・結石など);男性5%(1/20),女性0%(0/1),慢性腎不全;男性5%(1/20),女性38%(3/8)が主なものであった。男性例では、腎細胞癌群が他疾患のいずれより有意に推計学的に高値を示していた。また、14例の腎細胞癌患者の臨床経過とP-LAP値の推移はよく一致していた(男女性とも)。しかし、通常測定されているLAP値(P-LAPを合わせ測定)との相関は、α-0.799と高く、必ずしもP-LAPのみ測定していない危惧も生じた。このためP-LAPにより特異性の高い抗血清を得るため、腎組織(正常部・癌組織),胎盤,胎盤後臍帶血を材料にして、硫安塩析,カラムクロマトグラフィー,等電点電氣泳動によって、P-LAPの精製を行って、現在抗体の作製中である。組織化学的にも、腫瘍近辺部のP-LAPの濃染が確認されているが、抗体が作製・精製されれば、測定法の改良とともに、免疫組織化学へも応用できるものと考え、次年度以降の検討課題と考えている。
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[Publications] 栗山学,他: 日本泌尿器科学会雑誌. (1987)
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[Publications] Manabu Kuriyama;T.Takeuchi;T.Nishiura et al.: International Journal of Biological Makers. 2. (1987)
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[Publications] 栗山学,他: 第24回日本癌治療学会総会. (1986)
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[Publications] Manabu Kuriyama,et al.: The 8th Asia Pacific Cancer Conference,Seoul,KOREA. (1987)