1986 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌の領域リンパ節に於ける抗腫瘍活性に関する研究
Project/Area Number |
60480359
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
藤田 幸利 高知医大, 医学部, 教授 (10033060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 治 高知医科大学, 医学部, 助手 (70171155)
亀井 義広 高知医科大学, 医学部, 講師 (40145149)
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Keywords | 膀胱癌 / 領域リンパ節 / NK活性 / 抗腫瘍括性 |
Research Abstract |
1.膀胱腫瘍患者の末梢血リンパ球の解析;膀胱癌を主とする尿路悪性腫瘍患者(悪性群)22例、コントロールとしての泌尿器科良性疾患患者(良性群)42例、健康人38例について末梢血リンパ球のNK活性を【^(51)Cr】リリース法(【^(51)Cr】法)とルミノフォトメトリー法(ATP法)で同時に測定し、両法の比較も合わせて検討すると共に、リンパ球サブセットをモノクローナル抗体のLeu-2(サプレッサーT細胞),Leu-3(ヘルパーT細胞),Leu-7とLeu-11(NK細胞)を用いて測定した。【^(51)Cr】法とATP法とは夫々に利点、欠点はあるものの良く相関していた。NK活性は末期癌患者や進行膀胱癌患者で優位に低下しており、OK-432やインターフェロンの投与によって活性の上昇することが観察された。一方モノクローナル抗体によるNK細胞の陽性率はNK活性度とは必ずしも一致せず、陽性率が低くても活性度の高い症例や、その逆の症例も見られるなど、一定の傾向は見られなかった。又Leu-2とLeu-3陽性率では20例中2例を除きLeu-3即ちヘルパーT細胞が高率を示していた。 2.所属リンパ節におけるNK活性:悪性群10例について【^(15)Cr】法により検討したが、概して活性は極めて低く0-10%程度に止っていた。 3.膀胱癌組織内浸潤リンパ球および所属リンパ節リンパ球の解析:前年のLeu-7 35例に引き続き、新らしい患者の膀胱移行上皮癌6例を含む尿路悪性腫瘍患者を対象に凍結切片を作製し、モノクローナル抗体Leu-2a,Leu-3a,Leu-4,Leu-7,Leu-11を用いた酵素抗体法を利用した染色で、陽性リンパ球の割合を観察した。膀胱癌組織ではLeu-2/Leu-3の比でみると、3例でヘルパーT細胞が多く、1例でサプレッサーT細胞が多く、残りは等しかった。一方 リンパ節ではヘルパーT細胞が多い結果であった。NK陽性細胞は組織内、リンパ節共に少なく、活性度と一致する結果であり、所属リンパ節の役割は更に検討を要するものと考える。
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