1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60480375
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 秋悦 慶応大, 医学部, 助教授 (00051227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉沢 滋明 慶応義塾大学, 医学部・産婦人科学教室, 助手
北井 啓勝 慶応義塾大学, 医学部・産婦人科学教室, 助手
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Keywords | 卵細胞 / 卵成熟抑制因子 / CAMP / 減数分裂 |
Research Abstract |
第一減数分裂前期において分裂を休止した状態にある未成熟卵胞卵は、排卵直前にゴナドトロピンの作用により減数分裂を再開し、成熟に向かう、成熟再開とともに卵細胞内CAMPが減少することが知られており、また我々は卵の成熟抑制に、卵胞液に存在する卵成熟抑制因子(OMI)と、CAMPとが関与していることを報告している。つまり、抗CAMP血清をマイクロマニプュレーターを用いて卵細胞内へマイクロインジェクションすることにより、卵細胞内CAMPの減少とともに、IBMX存在下でも卵は減数分裂を再開し、この結果より、卵細胞内CAMPが卵胞内における卵成熟制御機構において重要な役割を果たしていること、さらに細胞内CAMPの減少が分裂再開のtriggerとなることを示した。 さらに、我々は、受精卵分割における細胞質の意義を検討する目的で、マイクロインジェクション法,細胞融合法,二次元電気泳動法を用いて、ICR系マウスの"2-cell block"に関係する細胞質要因を解析した。つまり、未分割受精卵の細胞質へ後期2細胞期卵の細胞質をマイクロインジェクションしたとき、また、培養2細胞期卵の割球へ後期2細胞期卵の割球を細胞融合したとき、"2-cell block"を解除することより、体内受精由来の後期2細胞期卵とblocked 2-cell卵の間で細胞質要因の相違を示した。さらに、オートラジオクラフィーを用いた二次元電気泳動法によるタンパク合成パターンの解析より、hCG投与48時間後の培養2細胞期卵は、後期2細胞期卵(in vivo系)と比較して、タンパクの欠如および増加が認められた。加えて、タンパクのリン酸化パターンより、リン酸化タンパは"2cell block"に特有でないと推察した。
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[Publications] Shuetu Suzuki,et.al.: Experientia. 42. 795-798 (1986)
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[Publications] Shuetu Suzuki,et.al.: International Symposium on Ovarian Function. (1987)
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[Publications] Shuetu Suzuki,et.al.: The American Fertility/Canadian Fertility and Androgy Society. (1986)
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[Publications] 北井啓勝,他: 日本受精着床学会. (1986)
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[Publications] 北井啓勝,他: 日本不妊学会雑誌. 31. (1987)
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[Publications] 鈴木秋悦,他: 医学のあゆみ. 140. 773-774 (1987)
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[Publications] 鈴木秋悦: "トピックス生殖医学" 医学書院, 109 (1986)
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[Publications] Shuetu Suzuki,et.al.: "Future Aspects in Human in vitro Fertilization" Springer Verlag(W.Feichtinger,P.Kemeter Eds.), 285 (1987)