1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60480380
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
増田 游 岡山大, 医学部, 助教授 (90033414)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西崎 和則 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (90180603)
|
Keywords | 催奇形 / 器官培養 / 聴器奇形 / ビタミンA過剰 |
Research Abstract |
1.実験動物による催奇形実験と薬剤の催奇形性抑制効果についての検索 前年度に、マウスにおけるセファランチンの、主に聴器に対するビタミンA過剰投与による催奇形性抑制効果を、胎仔の外表奇形発現率の差から検討した。本年度は、同様の条件でのマウスにおける催奇形実験を行い、セファランチンの催奇形性抑制効果を、胎仔の骨・軟骨染色標本での中耳・内耳領域の病態観察によって検討した。その結果ビタミンAのみ投与したものと、同時にセファランチン0.5mgを同時投与したものとの間で、胎仔の外表奇形発現率に差が出、前者で62.5%、後者で57.1%であった。また、そのうち、外耳異常が25%から14.3%に、短肢症が54.2%から4.8%に、とそれぞれ減少傾向をみとめた。一方、中耳病態を骨・軟骨染色で比較すると、前者で鼓骨・メッケル氏軟骨・ツチ骨の異常が増し、キヌタ骨,アブミ骨では逆に減少する傾向がみられた。以上から、マウスでは催奇形性抑制効果がラットでより少ないこと、その効果の不確実性がみられ、今後投与量を変えて検討する必要がある。また、中耳病態の変化から、第1鰓弓性と第2鰓弓性の起源をもつもの同志での反応態度の差,ツチ骨とキヌタ・アブミ骨の発生由来上の差が介在する可能性が考えられた。 2.実験動物聴器の器官培養法による発生学的観察 前年度と同様の条件でddN系マウス胎生10日目の90耳の聴器領域を最大10日間器官培養し、うち77耳について、これを組織学的に検討した。その結果41耳について、培養初日はいまだ未分化な間葉細胞集団であった組織片は、31耳で内耳への分化が,20耳では中耳への分化が確認された。今後は、当初の計画通り、この手法を使って催奇形実験を行うとともに、次年度に予定している全胎(胚)培養実験の基礎的研究の一環として、本研究の最終目標へ向って歩を進めたい。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 増田游: Ear Research Japan. 17. 478-481 (1986)
-
[Publications] 西岡慶子: Ear Research Japan. 17. 482-484 (1986)
-
[Publications] MASUDA,Yu: Acta Med.Okayama. 40. 201-207 (1986)
-
[Publications] 川崎康一郎: 岡山医学会雑誌. 97. 947-961 (1985)
-
[Publications] 内藤正之: 岡山医学会雑誌. 99. (1987)
-
[Publications] MASUDA,Yu: Auris Nasus Larynx. 14. (1987)