1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60480406
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
清水 正春 鶴見大, 歯学部, 教授 (40064357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山越 康雄 鶴見大学, 歯学部, 助手 (20182470)
井尻 はがの 鶴見大学, 歯学部, 助手 (50097309)
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Keywords | 小柱鞘 / エナメルタンパク / 会合性 |
Research Abstract |
ブタ幼若エナメル質の小柱鞘を構成しているタンパク質は、幼若エナメル質を脱灰して得られる全エナメルタンパク標品をSephadex G-100カラムを用いて0.05M炭酸-重炭酸緩衝液でゲル濾過すると、void volumeに溶出する画分中に他のタンパクと会合体を形成した状態で溶出してくる。この画分をさらにTSK gel ODS-120Tカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーによって精製すると、数種類のタンパク画分が得られる。それらのものの幾つかはamelogeninに由来するものであり、また、小柱鞘に特異的に多く含まれていると考えられるタンパクも、1種類ではなく複数のタンパクであるような結果が得られている。これらの小柱鞘タンパクのアミノ酸組成は、Termineらのenamelinのそれによく似ているので、彼らの方法に従って調整したenamelin画分の精製も同時に行ないそれらとの異同も検討中である。 また、本研究は、精製した小柱鞘を構成するタンパクについて、光散乱法を用いて分子量分布の測定を行なうことによって、その会合状態を検討することを目的にしているが、通常、分子量測定の標準試料として用いられているようなタンパクでは10%以内の誤差範囲で分子量が求められるのに、エナメルタンパクの場合には、用いる溶媒によってみかけの分子量が大きく変化することが判明した。これは当初予想していた以上に、エナメルタンパクの会合性が強いことを示しているものと考えられる。
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