1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60480440
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
西連寺 永康 日大, 歯学部, 教授 (40058839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森脇 一成 日本大学, 歯学部, 助教授 (90059634)
若松 佳子 日本大学, 歯学部, 助教授 (30059084)
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Keywords | 医用材料 / ぬれ性 / 接触角 / 低温プラズマ処理 / ヒドロキシアパタイト顆粒体 / 【^(45)Ca】標識顆粒体 / 歯槽窩内填塞 / FRS炭素体 |
Research Abstract |
本研究は各種医用セラミックスの骨内における反応性を検討するために、培養細胞使用実験への埋入実験の2つを柱としている。 1.培養細胞使用実験 (1)材料の細胞に対する馴染みの検討:このために、材料の"ぬれ性"という概念を採用し、表面化学で定義している材料表面の水に対する接触角で表わした。そのため【O_2】,Ar,【CF_4】などの低温プラズマで培養デッシュ(ポリスチレン製)を処理し、それぞれ約12℃,30°,84°の接触角の試料を得た。 (2)、培養細胞の材料表面への伸展性:現在、詳細を検討中であるが、一応の傾向としては、接触角の小さい-すなわち、"ぬれ性"の大きい材料上で、良好な細胞成育が起こることが明らかであると言える。 2.動物への埋入実験 (1)、【^(45)Ca】標識ヒドロキシアパタイト(HAP)顆粒体の調製と動物填塞:7週齢の雄性ラット下顎骨骨膜下に埋入、8週後に約100μmの全身凍結切片を得て、オートラジオグラフを作製した。【^(45)Ca】HAP埋入側および反対側の下顎骨、頭蓋骨、助骨等の皮質部に黒化が観察され、埋入HAPからのCaが少量ではあるが遊離し、全身のCa代謝系に入ることが明かになった。 (2)ニホンザルの前歯および臼歯を抜去し、その歯槽窩にHAPを填塞して6カ月後の歯槽突起部のコンタクトマイクロラジオグラフでは、対照としたHAP非填塞の歯槽窩内よりも、明らかに骨量が増加していることが示され、HAPが骨形成能を有するものと考えてもよい結果を得た。 (3)FRS炭素体についても、(2)とほゝ同様の検討をし、それが積極的な骨誘導能があるとする結果は得ていないが、6カ月には表層のラーメン構造内に多数の強い石灰化サイトが生じ、丁度、天然菌におけるセメント質様の構造を誘導することが確認できた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 西連寺永康: Dental Implant. 11. 15-48 (1986)
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[Publications] 柳澤定勝: 日本歯科評論. 525号. 55-75 (1986)
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[Publications] Sadakatsu,YANAGISAWA: "Bioceramics for Restration of Maxillofacial Bony defects,in Perspectives on Biomaterials,Materials Science monographs 33,Eds.O.C.C.Lin&E.Y.S.Chao" Elsevier Science Publishers B.V., 257-272 (1986)
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[Publications] Sadakatsu,YANAGISAWA: "Carbon Implants with Fine Rahmen Surface Layer,in Perspectives on Biomaterials;Materials Science Monographs 33,Eds.O.C.C.Lin&E.Y.S.Chao." Elsevier Science Publishers B.V., 333-358 (1986)