1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60480474
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
海老原 昭夫 大分医大, 医学部, 教授 (10048960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 勇一 大分医科大学, 医学部, 助手 (90109421)
藤村 昭夫 大分医科大学, 医学部, 助手 (90156901)
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Keywords | 24時間血圧測定 / 血圧日内変動 / β遮断薬 |
Research Abstract |
血圧の日内変動に対して、β遮断薬の及ぼす影響について検討した。対象は軽症から中等症の本態性高血圧患者で、β遮断薬投与前および投与後経時的に、携帯式長時間血圧測定装置(ICR社製model5200)を用いて、15分毎に24時間血圧を測定した。β遮断薬はatenolol50mgあるいはpropranalol60mg徐放性剤を、いずれも1日1回朝投与した。投与後4カ月以上に渡り、外来にて経過を観察し得た6例(atenolol3例、propranolol3例、うちatenolol2例を除き投与後12ヵ月まで追跡)の投与前後の24時間の血圧測定値について周期回帰分析(Tongら、1976の変法)を行った。今回は周期を24時間に固定し、周期性の有無について検討を行った。平均水準(24時間血圧平均値)については、収縮期圧では投与前平均値131.4mmHgから投与4ヵ月後114.7mmHgへ、拡張期血圧では82.3mmHgから74.1mmHgへといずれも下降を示した。血圧変動を、周期を24時間に固定して正弦波に回帰させた場合、投与前では1例の拡張期血圧を除き、すべて有意な周期性を有していることが認められた。投与2ヵ月後には収縮期・拡張期血圧の有意な周期性が認められた例は3例に減少したが、投与4ヵ月以後は、全例で再び有意な周期性が認められた。最大ピーク時間に関しては、投与前は午後1時から3時台に、最大ピーク時間の出現が集中したが、β遮断薬投与後は午前11時から12時台へと若干早くなる傾向がうかがわれた。 これまでに得られた結果から、β遮断薬慢性投与においては、比較的早期には、血圧日内変動の周期性が一時的に失われる可能性が考えられるが、今後さらに症例数を増やして検討する必要があると思われる。
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