1986 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト血清プロラクチン結合イムノグロブリンの化学的本体の解明と抗体検出法への適用
Project/Area Number |
60480479
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
遠藤 治郎 島根医大, 医学部, 教授 (20026892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野津 和巳 島根医科大学, 医学部, 助手 (50144697)
高橋 敬 島根医科大学, 医学部, 助教授 (40077673)
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Keywords | プロラクチン結合イムノグロブリン / 自己抗体様物質 / 偽高プロラクチン血 |
Research Abstract |
ACTH単独欠損症患者血清で見出されたプロラクチン結合イムノグロブリンの化学的性状を明かにしようとしてクロマトグラフィによる分離精製,【I^(125)】標識プロラクチンとの結合,非標識プロラクチン添加による置換実験をおこない次の結果を得た。 (1)患者血清に存在する【I^(125)】プロラクチン結合物質はSephacryl-S・200ゲル瀘過ではvoid volume付近の溶出分画に、Protein A Sepharoseアフィニティクロマトグラフィでは非吸着分画に認められた。 (2)非標識プロラクチンの添加で【I^(125)】プロラクチンは置換されることから、結合は特異的とみなされる。 (3)この結合物質は患者血清から少なくも3ケ月は証明されたが、1年後には検出されず、一過性の出現である。 (4)患者血清には異好抗体の存在を支持する所見は得られなかった。 (5)患者血清のProteinA吸着分画には【I^(125)】プロラクチンと結合する物質の存在を明らかにし得なかったが、なおラヂオイムノアッセイによるプロラクチン値を修飾する因子を完全に否定しえない。 以上から本症患者で見出されたプロラクチン結合物質は抗プロラクチン抗体様物質であることが明かになった。推定分子量からIgMが推定されるが、その確認は未了である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 野津吉友,国司博行,吉田凱宣,遠藤治郎: 臨床病理. 32(補). 102 (1984)
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[Publications] 遠藤治郎,高橋敬,野津和巳,野津吉友,狩野賢二: 臨床病理. 34(補). 197 (1986)