1986 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
60510221
|
|---|
| Research Institution | Nara University of Education |
|---|
Principal Investigator |
山内 洋一郎 奈良教大, 教育学部, 教授 (70031581)
|
|---|
| Keywords | 連歌語彙 / 連歌語彙自立語索引 / 意味構造の図式化 / 句の連接関係 |
|---|
| Research Abstract |
60年度の段階をふまえて、連歌語彙のカード化とその整理を主に行ったのが、本年度の実績である。
・主な対象となったのは下記の通り。
1.宗紙関係千句連歌七種
熊野千句、河越千句、三島千句、美濃千句美濃十花千句、葉守千句、永原千句以上は、本研究助成以前に基礎的作業を行っていたが、本助成により写本から再検討し、修正し、出版可能の段階まで整理することができた。
2.宗紙句集四種
萱草、老葉、下草、宇良葉以上は、本助成により新しく分析に着手し、カード作成を終え、整理作業もほぼ所定の目標に達した。まず前二者について、大まかな索引化を行って、整理方法の検討を行ったので、助成終了後ではあるが、他二者を加えた総合索引を刊行可能なまでにもってゆくつもりである。
3.莵玖波集・新撰莵玖波集
準勅撰として連歌史上重要なこの二書は、時期、歌詞を異にし、語彙にも差異があると思われるので、対照して編集すると、興味深い結果が予想される。そこで、本文のコピー、カード化までの作業は完了した。今後その整理・索引化を実行するつもりである。
・語彙・語法研究として、本年度内に2編の論文を公表した。一つは句と句の連接関係を論じたもので、連歌学書を多く用いた。一つは語彙構造を量的な組成をふまえて、それを意味関係から分析し、相互関係を考察して、それを図式化したものである。連歌に限らず、語彙の意味構造の図式化は未だ発表されたものがないのである。
|
-
[Publications] 山内洋一郎: 日本語学. 5巻10号. 38-47 (1981)
-
[Publications] 山内洋一郎: 国語語彙史の研究. 7. 253-270 (1981)
-
[Publications] 山内洋一郎: "宗紙関係、千句連歌七種総合索引" 和泉書院, (1983)
