1986 Fiscal Year Annual Research Report
Ge(Ga)のホットキャリヤーによる波長連続可変遠赤外レーザーの研究
Project/Area Number |
60540243
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
長坂 啓吾 理科大, 理学部, 教授 (80029470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀場 鉚一朗 東京理科大学, 理学部, 助手 (00084327)
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Keywords | 遠赤外光 / 波長連続可変 / レーザー / ガリウムドープゲルマニウム / 直交電場磁場下のホットキャリアー |
Research Abstract |
昭和60年度実績報告書で述べたように、前年度までに波長連続可変遠赤外レーザーの構造が決定され、具体的に作製され、実験が行われた。本年度は、構造の検討、試作、実験が繰り返されている。しかし、決定的な成功はおさめていない。特に、本年度の研究成果は、p-Geを用いた試料で作られたレーザーロッドに炭酸ガスレーザー励起遠赤外レーザーの発振線で透過測定を行い、初めてその利得係数およびファラデー回転のベルデ定数を決定した。ここで、試料の両端はブリュスター角に磨かれ、その入射面、出射面は偏光子、検光子の役割を果している。このため、入射光の電界Eのベクトル成分の内、反射が最小になる成分のみを用いて正確にレーザーロッドを一回だけ透過した光を検出することができ、正確な利得係数の電場、磁場依存性が決定できた。これと同時に、p-Geの中のファラデー回転による透過光強度の磁場依存性も測定している。これにより、ある磁場で、ブリュスター角に切り出した一定間隔の両端面によって選択される波長のみ、発振可能な共振器を形成することができることを見いだした。この性質を利用して、レーザー発振時における共振器の波長選択方法についても指針を得た。また、実験により見積られた利得係数は、6.9×【10^(-2)】/cmである。
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