1986 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫の外皮と色素におけるN-β-アラニルドーパアミンの役割と分布
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60540457
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
梅鉢 幸重 金沢大, 理学部, 教授 (00019465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 ゆみ 金沢大学, 理学部, 助手 (90019505)
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Keywords | N-β-アラニルドーパアミン / β-アラニン / ドーパアミン / ナミアゲハ / キアゲハ / パピリオクローム / ショウジョウバエ / クチクラ |
Research Abstract |
1.ナミアゲハの蛹期間中の体液と翅における遊離β-アラニンと可溶性結合型β-アラニンの量的変動を調べた。また同じく体液と翅でのN-β-アラニルドーパアミン(NBAD)とドーパアミンの量的変動も調べた。その結果、翅の着色時に、翅にNBADの大きいピークが見られ、次で黄色色素に相当する可溶性結合型β-アラニンが蓄積することがわかった。なお、遊離β-アラニンは、翅の着色時に、体液にピークが見られるが、翅での蓄積は見られない。ドーパアミンは全蛹期間中、体液では少量であり、翅では着色後ピークが見られる。(以上の定量には、本研究費で購入された高速液クロ用カラムが使用された) 2.ナミアゲハの蛹期間中の不溶結合型β-アラニンについては、蛹期間を通じて、蛹のクチクラにはβ-アラニンが痕跡しか含まれておらず、双翅目昆虫の囲蛹殻のクチクラとは硬化の機構が異なることがわかった。 3.キアゲハの翅の濃黄色色素(パピリオクロームM)の化学的性質の研究では、本色素は1%塩酸メタノールに可溶であり、この分画に【^(14)C-】トリプトフアン、【^(14)C-】ドーパアミン、【^(14)C】-β-アラニンが多量に取込まれることが証明された。色素の分解後、【^(14)C-】トリプトファンは【^(14)C-】キヌレニンとして、また【^(14)C-】βアラニンは【^(14)C-】β-アラニンとして回収される。さらに、TLCでのオートラジオオクロマトグラフの研究から、ドーパアミンは恐らく、β-アラニルドーパアミンとして存在する可能性が示された。 4.キイロショウジョウバエのyellw,black,ebonyの囲蛹殻のクチクラ中のβ-アラニンについては、4%塩酸メタノール抽出タンパク質を用いて、塩酸加水分解後放出されるβ-アラニンとケトカテコールの量的関係を現在なお実験継続中である。β-アラニンについては、y>b>eの序列が再確認されている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Umebachi,Y.: Comp.Biochem.Physiol.85b. 503-506 (1986)
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[Publications] Umebachi,Y.: Zool.Sci.3. 1012 (1986)
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[Publications] Ishizaki,Y.: Zool.Sci.3. 1012 (1986)
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[Publications] Umebachi,Y.: Progress in Tryptophan and Serotonin Research. (1987)
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[Publications] 梅鉢幸重共著: "蝶類学の最近の進歩「蝶の翅の色素、とくに系統・分類との関係について" 日本鱗翅学会, 20 (1987)