1986 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導集積回路における磁束トラップ機構の解明およびその除去法の開発
Project/Area Number |
60550012
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 啓二 九大, 工学部, 助教授 (80108670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
円福 敬二 九州大学, 工学部, 助手 (20150493)
松下 照男 九州大学, 工学部, 助教授 (90038084)
入江 冨士男 近畿大学, 工学部, 教授 (80037647)
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Keywords | 超伝導集積回路 / 磁束トラップ |
Research Abstract |
昭和61年度計画調書に従い研究を行った。項目毎に研究成果を記す。 1.Nb薄膜上にPb合金を上部電極とするジョセフソン素子のアレイを作製し、磁束分布の測定を行う。-Nbを下部電極、Pb合金を上部電極とするジョセフソン素子の作製技術を確立し、良好な特性を示す素子を再現性良く作製できるようになった。素子アレイとしては、50個のジョセフソン素子の直列接続の試作に成功した。 2.磁束トラップ機構の解明-上記の実験データーをもとに、磁束トラップの機構にについて検討を行なった。磁束トラップのメカニズムとしては、超伝導体のピン止め中心と考えられるが、このうちバルクピンニングと表面ピンニングが存在することが明らかとなり、また両者の分離も可能となった。 3.磁束トラップ除去の実験および評価-ヘリウムネオンレーザの出力を光ファイバーで導波し、それをジョセフソン素子のアレイに照射することによる磁束トラップ除去の実験を行った。10〜100μWのレーザー出力を素子に照射することにより、素子の実効温度を数%変調することに成功し、その結果、トラップされた磁束が除去されることが明らかとなった。
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[Publications] F.Irie: Proc.Int.Conf.on SQUID. 3. 431-460 (1986)
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[Publications] K.Enpuku: Proc.Int.Conf.on SQUID. 3. 767-772 (1986)
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[Publications] K.Enpuku: J.Appl.Phys.59. 1714-1719 (1986)
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[Publications] K.Enpuku: J.Appl.Phys.60. 4218-4223 (1986)
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[Publications] 吉田啓二: "超高速ジョセフソン・デバイス" 培風館, 321 (1986)