1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60550197
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
望月 仁 電通大, 電気通信学部, 教授 (60017275)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三橋 渉 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (40017421)
安藤 繁 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (70134468)
|
Keywords | 波浪 / 波浪エネルギー / 周波数フィルタ / 防波 / 導波回路 / 伝送綜路 / 等価回路 / アナロジー |
Research Abstract |
いままでの波浪エネルギーの利用には自然のままの波が用いられていたが、この研究ではエネルギーを取り出しやすい形態に波浪を制御する。この目的のために、波浪に対して周波数フィルタとして作用する構造物を考える。 標準構造物として方形断面開口水路をとり、重力波の範囲での波浪に対する電気的等価回路を求め、浅水波の場合は無限の平行平面導体間を伝搬するTE、TM電磁波と同様で、基本的にはハイパスフィルタ、伝送周波数帯ではバンドパスフィルタとなることが分った。ただし横方向モードが0のときはカットオフ周波数が0まで下り、直流分も通過し実状と矛盾しない。また深水波のときも基本的特性は浅水波と同様であるが、周波数特性自体は異るものとなった。 このような理論的解析結果を檢証するために、180×100×30(【cm^3】)の水槽中で多種類の構造物について測定した。造波器は横方向モードの構成が容易なように2個のスピーカーを用いたもの、あるいは振幅を大きくとるために機械的な造波器などを試作した。また波の周波数と振幅の測定器を改良し、水槽の壁からの波の反射を押える処置を構ずるなど、特に測定精度の向上に努めた。現在までにえられている実験結果は、理論的解析からほぼ予想されるフィルタ特性を示している。これらの実験精度の向上のために、水槽材料、電子部品などの消耗品を利用した。 なお理論面でも方形断面水路を組み合せて所要の周波数特性をもつフィルタを構成する問題を、分布定数綜路、マイクロ波導波管による電気フィルタとの比較から進めた。特に形状の異る水路を接続したときの波エネルギーの反射・透過特性と異る特性の電気線路を接続したときの反射・透過特性との類似に着目して等価回路の比例定総を決定する方法をえた。
|