1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60550330
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
川原 睦人 中央大, 理工学部, 教授 (10055220)
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Keywords | 有限要素法 / 演算プロセッサ / 専用解析装置 |
Research Abstract |
本年度は、前年度において試作を完了した有限要素法解析装置を使用して有限要素法の計算を高速化することを検討した。ハードウエアは、最終的にCPUに8086/8087を組み合わせて用いることにし、計6組としている。このCPUに有限要素法独自の計算を割り当て、高速化を図ろうとするものである。ハードウエア上の問題点として、電源容量の不足による不安定性の発生,演算装置のハードウエアに対するソフトウエアとのプログラミングの誤り,ハンダの不良によるハードウエアの不安定性などが生じ、これらを克服するのに相当の時間が費された。本年度では、これらの試行がほぼ順調に行えるようになったので、実際に計算を実行することによりどの程度の高速化が可能かを検討することにした。有限要素解析の対象として、浅水長波方程式を用いることにした。これは、線形であること,発展方程式であること,応用範囲が広いことなどにより、本解析装置に最も適したもののうちの一つであると考えられるからである。有限要素法によって離散化し、離散化した方程式を本解析装置によって計算した。演算プロセッサの個数による効率化を検討した。この結果、演算プロセッサを2組用いると大巾な効率化が図れることが判明した。にもかかわらず、3組以上に増加させても、ほとんど効率の改良は望めなかった。これは、演算プロセッサの効率をとげるためには、それに適したソフトウエアが必要であることによるものである。次年度においては、この点に着目して、ソフトウエアの改良に力点を置いた検討を引き続き実施することにする。特に、データを主演算装置から転送するときの効率に問題があることが判明したのでこの点を改良することを目的とする。これは、ソフトウエアの面で充分に対応することが出来るものである。よって、この点を改良し、より応用範囲を広げることを考えたい。
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Research Products
(1 results)