1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60550380
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宗宮 功 京大, 工学部, 教授 (60025947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 芳朗 京都大学, 工学部, 助手 (50152541)
藤井 滋穂 京都大学, 工学部, 助手 (10135535)
津野 洋 京都大学, 工学部, 助教授 (40026315)
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Keywords | 固定化微生物 / 糸状菌 / 都市下水処理 / バイオリアクター / 輪虫類 |
Research Abstract |
排水処理のバイオリアクターで固定化微生物を適用する研究の展開中で本研究では糸状菌の固定化膜に焦点をあてた。本法は、糸状菌を菌糸を十分伸長するまで前培養した固定化膜をリアクター内で排水と接触させる。すなわち本法では固定化膜の劣化がおこることなく、かつ濁質を捕食する輪虫をリアクター内に共存させることにより、余剰汚泥の発生を防いだ。 ベンチスケールの実験1では通水後15日で、人工基質の流入水CODが68.8mg/lに対して、流出水のT-CODが17.1mg/l(除去率75.2%),S-CODが10.0mg/l(除去率85.5%)の処理能力を示した。さらに輪虫を植種した36日目からリアクター内で糸状菌と共生し、濁質を捕食したため処理能力はさらに高まり、それぞれ9.9mg/l(徐去率85.4%),6.9mg/l(除去率89.8%)になった。また59日目から流入負面を上昇させたところ、輪虫の大量発生がみられた。本リアクターでは余剰汚泥を輪虫として回収できたことになる。 実験2は、十分な前培養を実施したため、菌糸はあまりはく離せず、メッシュ全体に安定した膜を形成した。流出水のT-CODが9.4mg/l(除去率87.1%),S-COD7.4mg/l(除去率89.9%)の処理能力を示した。流出水のSSも平均3.4mg/lで、顕微鏡観察でも菌糸が多少みられる程度であることからしても、COD-容積負荷率(0.36kg/【m^3】.日)においては浮遊性の有機物はほとんどないといってよい。
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