1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60550380
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宗宮 功 京都大学, 工学部, 教授 (60025947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 芳朗 京都大学, 工学部, 助手 (50152541)
藤井 滋穂 京都大学, 工学部, 助手 (10135535)
津野 洋 京都大学, 工学部, 助教授 (40026315)
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Keywords | 固定化微生物 / 細菌 / 真菌 / 後生動物 |
Research Abstract |
固定化微生物の都市下水処理への適用にあたり, 本研究では以下の点を中心に検討した. 1)都市下水中の固形性有機物は物理化学処理によって除去し, 残りの溶解性有機物に関して固定化微生物を適用する. 2)固定化微生物法の有する高分子ゲルによる固定化の際の薬剤の消費をできる限り軽減する固定化法を考える. 3)微生物の増殖により生じた余剰汚泥を, 資源の形として回収できること. 4)返送汚泥工程は必要としない. 以上の点から, 次の3種の実験を試みた. 1)数種の微生物の包括固定化法による処理実験 2)真菌-後生動物系による人工基質処理 3)真菌-輪虫系による実下水処理実験. ポリエチレンネット上に, アルギン酸カルシウムでAcinet bacter calcoaceticusを固定化して, グルコース基質を連続的に40日間与えたが, 40日後ほぼ流出し, 固定化膜は劣化した. 一方, 真菌の胞子を固定化したところ, 菌糸による強固な膜が形成できた. そこで, 真菌と後生動物の系をつくり, 人工基質を与えた結果, CODcrで約10mg/l, 除去率86〜90%の好成績を約330日にわたって得られた. 実下水の凝集沈澱上澄水に対して, 同様の系で処理した結果, CODcrで約20mg/lの処理水が得られた. これは滞留時間約5時間, 水温約10〜15°Cの比較的低水温下における実験であり, 流出水中の後生動物(余剰汚泥)を食餌として魚類の飼育が可能であった.
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