1986 Fiscal Year Annual Research Report
旧藩境界域からみた農家住宅の歴史的変容過程に関する研究
Project/Area Number |
60550429
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Research Institution | Nihon Bunri Univ |
Principal Investigator |
大岡 敏昭 日本文理大, 工学部, 助教授 (10131963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能城 宜則 日本文理大学, 工学部, 助手
木本 公幸 日本文理大学, 工学部, 助手
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Keywords | 農家住宅平面構成 / 旧藩領域と現代 / 農家住宅の歴史的変容過程 |
Research Abstract |
本研究の目的は、江戸時代後期に成立していた各藩独自の平面形式と旧藩領域の分布圏域が、その後の現代に至る農家住宅を規定していることを実証した事にある。 九州地方の臼杵,岡,佐伯,延岡の4つの藩領域においては、江戸後期の農家住宅は各藩独自の住宅形式が成立し、隣接する他の藩とは、藩境界で住宅型が明確に異っていたが、その後の現代に至る住宅については以下の如く点が明らかにされた。 (1)境界域の一部を途いて、江戸後期の住宅形式とその分布圏域が明治〜大正〜昭和〜現代の住宅形式と分布圏域を規定している。 (2)その住宅形式は座敷構成に強く継承されている。 (3)土間,台所,寝所などの家族生活空間は各藩とも同じ傾向にあり、その改善と変化は著しい。 (4)旧来の田の字型,広間型の住宅型は昭和40年代前半まで建て続けられてきたが、昭和40年代後半になって、急激に変化し、中廊下型の新しい型にとって変っている。しかし、座敷構成だけは厳然と旧来の形式を継承している。 (5)住宅規模においても、江戸時代の藩によって差異はあったが、現代の住宅についてもその差異がみとめられる。
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[Publications] 大岡敏昭: 日本建築学会大会学術講演梗概集(近畿). (6210)
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[Publications] 木本公幸: 日本建築学会大会学術講演梗概集(近畿). (6210)
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[Publications] 能城宜則: 日本建築学会大会学術講演梗概集(近畿). (6210)