1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60550449
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大塚 良平 早稲田大, 理工学部, 教授 (80063204)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 貞夫 早稲田大学, 教育学部地学科, 教授 (30063613)
|
Keywords | セピオライト / 比表面積 / 細孔分布 / 陽イオン交換能 / CEC |
Research Abstract |
本年度は計画に則り、セピオライトの比表面積と陽イオン交換能(CEC)について検討した。用いた試料はイミシェヒール(トルコ),河南省(中国),韓国,葛生(栃木県),バジェカス(スペイン)の5種類である。 1.比表面積測定は「ディジソープ2600形」(マイクロメリテイックス社製)を使用し、BET法により行った。比表面積は443【m^2】/g(イミシェヒール)から231【m^2】/g(韓国)の範囲にあり、加熱により200℃から徐々に減少し、400℃以上でほぼ一定になることが分かった。これは結晶格子のfoldingに起因する。また比表面積の加熱による減少の挙動が試料によって著しく異なることが明らかなった。これは透過電子顕微鏡観察や(110)回折線から計算した結晶子のサイズによってよく説明できることが分かった。なお、各試料の細孔分布は20〜30A゜に集中していることが確かめられた。 2.CEC測定は従来から普通に用いられているSch【o!¨】llenberger法と、これと比較するために「和田の方法」とで行った。CEC値はpH=7において4.83meg/100g(バジェカス)から1.17meg/100g(葛生)の範囲にあった。しかし、これらの値はpHの増加とともに高くなることが分った。これに反し、比較のために測定したモンモリロナイトはpHの影響をほとんど受けなかった。このことはセピオライトのCECがモンモリロナイトのそれとは異なり、主に結晶格子の端に存在する破壊原子価(broken bonds)に起因することを示している。従ってセピオライトのCEC測定の場合、従来のSch【o!¨】llenberger法を適用できないことを明らかにした。さらにまたセピオライトのCECは結晶子サイズと関係あることが分かった。
|